レイラ&朝陽VS悠生&冷 [ 39/50 ]


「じゃ、次はボクたちの番だねー!」
「油断するなよ」
「まっかせてよ!ほらいこレイラー」
「はいはい」

なんて和やかに会話しながらフィールドの柵を越えて、中に入る。中央のラインに立って、相手である冷と悠生を見つめた。

「あんた達はやっぱりそのコンビだよねー」
「そちら様もね」

あははうふふってにこやかに悠生とレイラが話す。悠生とレイラって知り合いだったんだね?

「今回はよろしくね、冷」
「そうね、お手柔らかにお願いするわ、朝陽ちゃん」

握手はせずとも、挑発的ににやりと笑いあうボク達の顔を見て、審判が準備は良いと判断したらしく、息を吸うのが見えた。

「第二回戦、レイラ・リアルガンデ・クリディエアリア&大神田朝陽VS堺悠生&武居川冷。試合開始!」

審判が声を張り上げたと同時に冷が口で両手に嵌めていた手袋を素早く取って、地面に手を付ける。
レイラがそれを見て同じく地面に手を当て、冷の足もとを勢いよく隆起させた。

冷の能力が不完全な状態で発動し、少し自身の足もとが緩くなったのを感じてレイラに声をかけて相手と距離を取る。
レイラが冷のバランスを崩してくれたおかげだ、危ない。
冷も既にバランスを取りなおしており、先ほどとは少し離れた状態でにらみ合う。
あんまり、時間もないんだよね……。

「朝陽くん、私達から行くよ」
「りょーかい!」

レイラが内ポケットから種を取り出して土に落とし、かがんで種に触れた。
すると突然に植物が急成長し動き出す。ボクはそれに飛び乗ると植物は結構なスピードでまっすぐ冷に向かって行った。
冷が驚いたようにこっちを見るのを見ながら右こぶしを握り締める。僕の右手の周りにぼうっと炎が灯った。
ある程度の距離まで来たところで勢いよく植物を蹴る。あとは拳を叩きこむだけ…ッ!!

瞬間、冷が笑うのが見えた。

「ッごめん朝陽くん!危ない!!」

レイラの声が聞こえると同時に全身に激痛が走った。耐え切れなくて握りしめた拳は開き、受け身も取れないままに地面に体が落ちる。

「痛っ…!!っあ」

激痛に耐えるようにフーッ、フーッと荒々しく息をしていると急に息が吸えなくなって、か細く声が一瞬出た。激痛はもう消えたけどあまりの苦しさに視界が滲む。
このまま気絶するんじゃないか、というところで誰かに抱き上げられる感覚と共に、一気に酸素が戻ってくる。

「っげほ、げほっ」

肺に空気を存分に取り入れてから、顔を上げる。どうやらボクはレイラに抱えあげられていたようだった。

「大丈夫?朝陽くん。ごめんね」
「なん、とか……」
「そう、それなら良かっきゃ!!」
「いてっ」

急にがくん、と傾いたレイラが力を入れられなくなったんだろう、地面に落とされた。お尻が痛い。
慌ててレイラの方を見ると犯人は冷のようだった。そのままボクも液状化した地面に落とされ、固化されて動けなくなる。
力を入れても地面から抜け出せる気配はない。
しばらくそんなボク達を見ていた審判が動けないと判断したのか、試合終了の旨を伝える。

「試合終了!二回戦はチーム日本文化の勝利!!」
「うわーやられたぁ…」
「ごめんなさいね、大丈夫?」

また冷が地面に触れて、液状化したところを固化している地面に手をついて、プールから上がる要領で腕に力を入れて、地に立つ。

「だいじょーぶだいじょーぶ。うわー悔しい!」
「そうね…私達、もっと強くならなきゃ」

同じように液状化した地面から上がったレイラが呟いたのに、頷く。


チーム名決まらんVSチーム日本文化
第二回戦勝者、堺悠生&武居川冷。


「いやーでもイイ声とイイ顔ありがとな」
「その性癖どうにかした方がいいと思うよ悠生」



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