燐&廉 VS 琉生&真依良 [ 43/50 ]


真依良&琉生VS燐&廉

「んあー、ごめん後よろしく〜」

 そう言って俺らの元に帰ってきた一歌とハイタッチして今度は俺と燐が中に入る。
 中央まで二人で歩いて、相手を見やると琉生先生と真依良先生が柵を乗り越えてこちらに歩いてきていた。
 琉生先生も真依良先生も俺と同じ能力を1つは持っている先生だ、確かそんなに相性も悪くなかった筈だぜやったね!
 心の中でそうガッツポーズついでに現実ではマッスルポーズを決めておく。ちなみに特に理由は無い。
 …いよっし。

「さーて行きましょうぜ燐よ!やってやろーじゃねーの!」
「はいはいやりましょうか」

 そう声を張って気合を入れる。すると前にやってきた琉生先生と真依良先生はにっこりと笑った。

「まぁ俺らにも先生のメンツってもんがあるし手加減はしないからよろしく」
「よろしくね」

 強い人の笑顔は恐ろしいものである。
 俺を含めた4人が指定の位置に付き、戦闘する時独特の緊張感が貼り詰める。

「第二回戦結城燐&茂路廉VS暮部真依良&逸見琉生。試合開始!」
「っおらァ!!!」

 卒業生で揚羽先生と同じチームだったらしい審判であるなんとかさんの声を聞いてすぐに大剣を地面に叩き付ける。




「本当の電撃を見せてあげる」

 そう言って笑った真依良先生の顔を見てピリっと嫌な空気が頬を撫ぜた。今まで戦ってきて数度しか感じた事はないとはいえその正体はすぐに分かり、咄嗟に頭を右に振った。
 ばちっ!という嫌な音が遅れて聞こえて左頬が痺れる感覚。冷や汗がたらりと背中を伝うのが分かった。

「っ燐!いったん距離あけろ!!」

 燐に慌ててそう声をかけて琉生先生の相手をしていた燐が後ろに跳躍するのを見て俺もそっちに合流する。なんつーかふざけてらんなくなってきたな…!

「真依良先生の能力、やべーわ」

 俺らより明らかに実力が上であるという余裕からか、距離を取って離れた俺たちの事を特に追いかける事もせずその場に立って様子見をしている先生を見ながらそう声をかける。
 この様子だと向こうからしかけて来る事はないだろう、それをありがたく利用させてもらう事にして、とりあえず伝えたい事を伝える。

「俺の能力の電撃は溜める事ができないし、溜めなくて良い分リチャージも早い。まぁそこが良いとこなんだけどその分威力が弱い。でも真依良先生のは俺のと真逆だ。電撃を溜める事が出来てそれを放電してくる。その分威力は段違いだし、更にリチャージに至っては俺の電撃を使ってチャージしてくる。つまり…」

 それでも時間はないし、矢継ぎ早にそう燐に伝えるとそこまで言えば燐はもう察してくれたようだった。それでも最後まで一応伝えようと息を吸ったところで向かい合っていた真依良さんがすっと右手を上げる。
 俺の声と燐の声が同時に上がった。

「俺の能力の上位互換だ!」
「ッ飛べ!」

 燐の声を聞いてか自分の判断か、おそらく両方だと思うけど!俺と燐がそれぞれ真逆の方向に飛んで足元の電撃を回避する。俺らが立っていた場所からバチィッ!という嫌な音が聞こえた。
 …威力高過ぎなんだよなー!

「良いのか茂路に結城?このままだと時間切れで引き分けだぞ〜」

 ちらりと電光掲示板を見ればもう残りは1分にまでなってしまっていた。思わず舌打ちが漏れる。どうする、このまま引き分けを狙うか勝つか…!!


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