真夜中の深海魚
2012/04/09 03:29

夜はあまりにも冷たい。あんなに輝いていた星が見付けられない。随分と遠くまで来てしまった。じんわりとこみあがったそれが零れてしまわないようにと唇を噛む。さみしさをひた隠しして、どうしてもわたしは意地を張り通したいようだ。暗闇を抱えながら息を吐く。吐き出せなかった哀しみで背骨がきしむ音を微睡みながら聞こう。暖かな深海に迷い込んで優しく息絶えてしまいたい。


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