佐才要素有り





アナスタシアは綺麗だ。けれど御前にとって彼女の何処が綺麗に感じるのかと問われると詰まる。きっと佐助は困りながらこう答えるだろう。

「全て」

彼女はきょとんとした表情を見せ、小さく笑った。そして額に触れるだけの口付けを施した。

「――な、」

「浮気は宜しくないんじゃない?」

私は歓迎するけれどね。
冗談めいた言葉を口に出して微笑むアナスタシアは矢張り綺麗だ。此の笑顔には勝てる気がしない。

「アナ」

「何?」

「奴が居なければ、好いていた」

「あら」

嬉しいわ。
彼女は微笑んだ。



110207


title by hmr
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