ハローハロー | ナノ


ハローハロー






その日、立向井は自分の携帯電話というものを初めて手にしたのだった。
白いボディの携帯電話は何というか輝いてみえた。これが自分の物なのだとは到底思えず、だから愛着がわくかもしれないという理由で学生鞄に付けていたキーホルダーをその携帯電話に付け替えた。
あの人がくれたオレンジ色の"サッカー少年"という文字が彫られたプレートはその何とも言えぬデザインを携帯電話の横で主張していて何だか少し笑えたけれど、立向井はこれで自分のものになれたのだなと思った。

親に見られぬようにと部屋のベッドの上であの日あの人がこのキーホルダーと共にくれた走り書きのメモに目を通しながら立向井は慣れぬ指でボタンを押した。

ゆっくりと10分位かかって漸く一番最初に登録した"綱海条介"の文字を携帯電話の画面越しに眺める。眺めてから立向井は小さく笑って通話ボタンを押し、耳元に携帯電話を当てた。キーホルダーが携帯電話のボディーにぶつかったのかカチリという音がした。














(俺の声は聞こえますか?)







「もしもし…」
「俺です、立向井です」







初恋っぽいのが書きたい(笑)
110330







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