ここはホグワーツ魔法学校。ダンブルドアが守る、魔法界では言わずと知れた世界一の魔法学校だ。私はそんな学校で、日々立派な魔法使いになるべく、レイブンクローの生徒として勉強に励んでいる。最初は英語もわからなくて苦労したけど、5年も居ればすっかり英語で話すことも慣れてしまった。でもホグワーツにアジア人がいるのは珍しいらしく、ほんとに入学した当初は色んな人に声を掛けられたりして大変だったなぁ。しかも、私と同じ日本人はハーフの子も含めて9人しかいない。そのほとんどが同い年ということもあって、私達9人は寮が違ってもずっと仲良く一緒にいた。慣れたからといってずっと英語で話してるのも疲れちゃうから皆といるときは日本語で話せるのも息抜きになって助かってる。

「おはよう、なまえ。今日も隣、いいか?」
『うん!おはよう、蓮二!』
「おはよう。」

私と蓮二は幼馴染みで、日本の小学校も一緒。家にホグワーツから入学の案内が来たとき、お母さん達はすごく喜んでくれたけど私はひとりぼっちで外国の学校に行くなんて不安で仕方なくて正直、ホグワーツに行くの嫌だったんだ。でも、あの駅のホームで蓮二を見つけて私はすごく驚いたけど、すごく嬉しくて思わず蓮二に飛び付いてしまった。蓮二も驚いていつも閉じてる目を見開いていたけど、すぐに優しく笑ってくれた。あのとき、蓮二がいてくれなかったら私はここで笑っていなかったと思う。そうして私たちは汽車の中で数少ない同じ日本人と出会い、皆同じ寮だといいねといいながらはじめてホグワーツに足を踏み入れた。結局、同じ寮になれたのは蓮二と柳生くんだけで、幸村と仁王がスリザリン、真田がグリフィンドール、ブン太とジャッカルがハッフルパフと結構バラバラになってしまったけど、寮なんて関係なしに私たちはずっと仲良くしてる。あ、あと、私たちより一年後にグリフィンドールに入った赤也とも仲良くなれた。

「なまえ、今日の魔法薬学だが、恐らくペアで実験になると思う。だから良かったら一緒に組まないか?」
『いいの?私、足引っ張っちゃうよ?』
「あぁ、なまえは魔法薬学が苦手だったな」
『うん。スネイプ先生が怖くてあんまり授業に集中できないんだよね…。テストはそんな悪くないんだけど』
「問題ない。俺がフォローする。俺はお前と組みたいんだ」
『蓮二がそう言うなら』
「ありがとう。」
『でもなんでいま?』
「先手を打っておかないと、他の奴らにに先を越されてしまうからな」
『へ、何が?』
「いや、こちらの話しだ」
『ふーん』

私に微笑みかけてくれる蓮二に少し見惚れながら私は間の前にあったパンを口に放り込んだ。今日も皆と楽しい一日になりますように。

『今日も一日楽しみだなぁ』

(20130510)
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