「せんぱーい!おはようございますッス!」
『うごぁ!』

朝、学校に来てクラスが違う友達と廊下で話していたらいきなり背後から赤也の声がして、その直後、私の背中に衝撃が走った。赤也めおもいっきり突っ込んできやがったな!身長も赤也のが大きいのに全力で私に覆い被さってきたからバランスが崩れ転びそうになっているのに友達は「相変わらずなかいいわね〜」なんて言って、赤也は赤也で「ッス!!」なんて話してる。友人よ。そんな事を言ってないで助けろ、ばかっ!

『あか、や…重い…重い!』
「すんません先輩!先輩見たらいてもたってもいられなくて!」
『はいはい。わかったからまじで退いて、本当にあぶない…!』
「もし先輩が倒れても俺が受け止めるんで大丈夫ッスよ!」
『そういう問題じゃねー!』

私は無理矢理赤也を背中から振り落とすと、少し拗ねたように口を尖らせてなんかぶーぶー言ってた。赤也は可愛い部活の後輩だけれどもこうも激しくなつかれるのも困りものだ。恐らく、柳くんもこういう目に合っているんじゃなかろうか。私がため息を吐いたら赤也が「先輩、お疲れッスか?」と聞いてきた。お前のせいだよ!友人は、私達のコントに付き合ってらんない、と自分の教室に逃げやがった。

「あの先輩も優しくて結構好きッスけど、なまえ先輩のが大好きッス!」
『はいはい、ありがとさん。わざわざ3年の階に来たんだからなんか用があったんじゃないの?』
「そうなんスよ。先輩、今度の合宿の最終日にレクリエーションでマネージャーとの混合ダブルスあるって聞きました?」
『まぁ、』
「それ!俺と組みましょう!」

赤也はきらきらした目でこっちを見てきたけど、正直あれ出たくないんだよねー。そもそも私、テニス部のマネージャーだけどテニス未経験だし、混合ダブルス自体自由参加だから遠慮するつもりだったんだけどな。でも、何だかんだ可愛い後輩の頼みなので結局私は断れず誘いを受けた。私がぼんやりと、赤也が嬉しそうに走り去って行き、それを真田くんに見つかって怒られているのを廊下で眺めていら、友達がひょっこり顔を出して、「結局あんたも何だかんだ赤也くんのこと好きよねー」なんて言うもんだから殴っておいた。


『さぁてと、テニスの練習しなくちゃなー』

(20130503)
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