03
ミラを追い掛けて階段を登りきると手摺りに手をついてミラが私を待っていた。
「来たか」
『うん。…あの子いいの?』
「うむ。助けてはもらったがこの件には無関係だ。
一緒にいない方がいいだろう」
ミラと合流して少し話していると一人の兵士が近づいてきた。
「おい、お前たちだな侵入者は!」
「…違うと言えばどうなるのだ?」
『私は本当に侵入してないから違うんだけど…』
「いいから大人しく捕まれ!」
臨戦体勢の兵士にミラは剣を抜き私も身構えた。するとふいに後ろから聞き覚えのある声がした。
「ミラ!?」
「!不用意だなジュード。無関係を装えばいいものを」
「まだいたのか!おい、こっちに応援を頼む!」
『増援を呼ばれるのは面倒だね。さっさとやっちゃおうか』
長い袖で隠れていた手に同じく隠していたナイフを持ってミラを見たとき違和感を感じた。
『ミラ、もしかして…』
「はっ」
ミラが剣を振るうが兵士にあっさりと避けられミラはそのまま倒れそうになる。
「剣使ったことないの?!」
「うむ。今までは四大の力で振るっていたからな
……あいつらがいないとこうも違うのか」
『その状態で戦うのはキツいね…敵も少し集まってきちゃったし…』
うまく剣を振れないミラを守るようにまわりを見回す。
『うーん…仕方ない。シャドウ、全員眠らせて』
《了解した》
「え……シャドウ?!」
そうシャドウに命じると兵士の影から黒い煙が立ち上り煙に触れた兵士から次々と倒れていった。
「これって…」
『眠らせただけだから心配することないよ』
「あなたは……」
『そういえば、自己紹介がまだだったね
私はリスィ、リスィ=ヴェリウス』
「えっと、ジュード・マティスです
…ヴェリウスって…」
『ああ、うん精霊のヴェリウスだよ』
「リスィ助かった。」
そういうとミラは剣を鞘に戻しながらジュードの方を向いて
「ジュード、君はほんとに帰った方がいい。」
『でもミラ、どうやってここからでるの?』
「あの、街の入り口は厳しく管理されてるんだ。海停を使った方がいいと思うよ」
「ふむ…」
『海停…って…』
2人そろって考える仕草をしていたらジュードがため息をつきながら
「海停、知らないんだね」
『うん、ごめんね?この街の地図知らないんだ…』
「こっち。
助けてくれたし海停まで送るよ」
「ああ。ありがとう」
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