02
『ミラ!』
階段の一番下に見知った金髪を見つけ、名前を呼びながら近寄った。
「リスィか…」
『…何があったの?』
全身びしょ濡れのミラを見たのは初めてだった。
何かあったのは確かなんだけど何があったのかわからない。
「すまないリスィ、一旦ニ・アケリアに帰ろうと思っている」
『……うん、わかった。後でちゃんと話聞くからね』
「ああ。…世話になったなジュード。君はちゃんと帰るといい」
「え…あ、うん…」
『あれ、君は…』
ちょうどミラで隠れていたのか死角になっていた場所にいたのは先程ぶつかった黒髪の少年。
『また、会ったね』
「…そう、ですね…」
『……?』
少し困り顔でそう返す少年を見てふと思い出す。
『そういえばなんでミラと…』
「リスィ、あまりゆっくりしてられないぞ」
用事あったんじゃって続けようとした言葉は既に階段を半分登ったところにいるミラに遮られた。
『あ、うん。今行くから
……じゃあ、行くね?』
少し気が引けるけどミラを放っておくわけもいかないし……
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