02



『シルフで飛ぶのは久しぶりだね。』

「そうか?…そういえばリスィは久しぶりだったな。」

『ずっと別行動だったもんね。報告とかでニ・アケリアに行ったりはしたけど…』


話しながら下を見下ろすとすでに海停を越えて海に出ていた。


『もう海まで来たんだ。じゃあもうすぐイル・ファンかな?』

「ああ、そろそろ着くだろう」


そう話しているうちに夜域に入り、少し向こうにイル・ファンが見えはじめた。


『あれがイル・ファンだね』

「ああ、降りるぞ」


街に着き、なるべく人気のない場所を見つけてシルフの風から降りた。


『あまり微精霊を感じられないね…』


前を歩くミラに話し掛けると急に何かに気付いたらしいミラが立ち止まった。


『ミラ?』

「リスィ、どうやら元凶はあそこの研究所らしいな。」


ミラが指差した場所を見ると他の建物より大きく、入り口を守るように兵士がたっている。


「ふむ……」

『ミラ、四大を使ってもいいだろうけど、正面突破はやめといたほうがいいよ』

「む…なぜわかった?」

『何年ミラといると思ってるの?』


大体のことはわかるよっていったらミラに笑われた。


「そうだったな。…ではどこから潜入するか。」

『うーん……裏口があるなら、そっちに回った方がいいかもしれないけど…』


周りを見回しながらミラに答えているとふと水面の向こう側に鉄格子を見つけた


『ミラあそこからなら入れるんじゃない?』

「あれは…水路か?」

『多分、そうじゃないかな?ウンディーネに連れてってもらいなよ』


ここにちょうど下に行く階段もあるよとミラを階段まで連れていく。


「リスィは一緒にこないのか?」

『私はミラに警備の目が向かないように、少し騒ぎを起こしてこようかなって思ってるんだ』

「……してもいいがリスィ、やりすぎるなよ?」

『わかってるよ。ミラじゃないんだから』


私じゃないとはなんだとむくれるミラがおもしろくて少し笑っちゃった。


『ふふ、じゃあ行ってくるね』


そう言って私は階段前でミラと別れて広場の方へ歩きだした。



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