Trick or Trick!

2012/10/31 19:49



今日は年に1度のハロウィン。俺はを自分の生徒兼恋人のジュードに年甲斐もなくお菓子―本来はもうひとつの方を期待しているが―をもらうためにジュードの姿を探して廊下を歩いていた。

「教室にはいなかったな…」

もう大体の生徒は帰宅の途についているような時間だ、先に帰ってしまったのかとも考えたがふと校庭の方から聞こえた小さな子供の声と探し人の声。

「ありがとおにいちゃん!」

「ううん、喜んでもらえてよかった」

「おにいちゃんわたしも!とりっくおあとりーと!」

「ふふ、はいどうぞ」

小学生くらいの子供たちは口々にジュードにお菓子をせがみ、ジュードも笑顔で子供たちにお菓子を配っていた。

「あんなとこにいたのか…」

まだ学校にいたことに安心しつつも心の底になにか黒い感情が湧き上がっていた。
階段を勢いよく駆け下りて校庭へと向かうとジュードはちょうど先ほどの子供たちと別れていた。

「よ、ジュードここにいたのか」

「あ、アル…先生、どうしたんですか?」

「いや、ちょっと用事があってな」

首をかしげたジュードの耳もとで小さく囁く。理解したジュードの顔は真っ赤でその反応に湧き上がっていた黒い感情は少しだけおさまっていた。



***


学校近くの公園で座っていたジュードを車に乗せるとそのまま家へと連れて帰るとジュードはすぐにキッチンへと立つ。
慣れたように手早く料理を作り終わると二人で向き合って食べる。
夕食を食べ終わるとソファに座っているジュードの肩を抱き寄せて囁く。

「なぁ、俺にはお菓子くれないのか?」

「え?あ…」

「トリックオアトリート…お菓子がないならジュードが欲しい」

「そん……んんっ!?」

真っ赤な顔で反論するジュードに口づけると耳元でささやく。

「な?今日あいつらに見せてた顔、俺だけに見せてよ」

「もう…///」

うつむいたジュードを連れて寝室へと向かった。




このままベッドの上で朝までジュードを可愛がったのはまた別のお話…。






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