オレンジに誓うのは

2012/04/14 17:51



僕たちが一緒に暮らし始めて1ヶ月……


最近アルヴィンは僕に何かを隠してるような、そんな雰囲気を感じた。






オレンジに誓うのはーーーー









「ふぅ………」


通い慣れた家までの道を歩きながら小さくため息をつく
理由は最近のアルヴィンの言動について。
何を聞いてもいつも上手くはぐらかされて、肝心なことが聞けない。


「僕、何かしたのかな…」


悪い方にばかり考えが向く自分に気分まで落ち込んでくる
若干俯いたまま家の玄関を開けるとどうやら先に帰っていたらしいアルヴィンがいた


「あれ?アルヴィン今日早くない?」

「ああ、ちょっとジュードに用があってな」


こっちこい、と意味がわからなくてその場に突っ立っていた僕をアルヴィンが呼ぶ
その声に導かれるように僕はアルヴィンのそばへ近づいていった


「どうしたの…?」

「これを渡したくてな」


そういって笑いながら少し大きめの箱を僕に渡してきた


「?…あけても…いい?」

「ああ」


なんだろうと箱を開けてみると中に入っていたのはー……


「髪飾り…?」

「そ、あとこれもな」


そういって僕の左手を引っぱる。そして何かをしたのか指に若干の違和感を感じて見てみると薬指に青色の石が入った指輪


「これ……」

「……オレンジデーって知ってるか?」

「オレンジデー?」

「やっぱエレンピオスだけか…」


そう苦笑しながら箱から髪飾りを取り出して僕の頭につけるとアルヴィンは話し出した。


「オレンジデーっていうのは、オレンジで恋人同士が愛を確認しあう日だ」

「オレンジで?」

「ああ、その髪飾りの花はオレンジの花だ」

「そうなんだ…!」

「それともう1つ」

「?」


アルヴィンは僕の左手を恭しく手に取って甲にキスを落とす


「結婚式には花嫁の髪飾りにオレンジの花を付けて、青色の指輪をするんだ」

「え、それって…」

「結婚しよう、ジュード」

「!!」


アルヴィンの真剣な顔に自分でもわかるくらい顔が真っ赤になる
結婚、僕とアルヴィンが……結婚
色んな感情が溢れてきて頭が真っ白になる


「ジュード…?」

「ち、違うよ!嫌なわけじゃ、なくて…」

「…………」

「…うれ、…しくて…」


情けないくらい涙が溢れてきて視界が滲む。


「だから…」

「そっか…よかった」


ほっとしたような顔をしたアルヴィンが僕を抱きしめて再び聞いてくる


「結婚、してくれるか?」

「…っうん」


その返事を聞くとアルヴィンは僕の顎を持ち上げてキスをする
しばらくキスをして軽いリップ音をたてながら唇が離れていく。
息を整えているとアルヴィンは軽々と僕を抱き上げて(いわゆる世間でいうところのお姫様だっこ)ベッドへ座った


「結婚式挙げようぜ」

「え?」

「2人だけで、な」

「そう、だね。挙げよっか」


額をくっつけあってお互いに笑うとどちらともなく唇が重なる
他の人なんていない2人きりの大切な式…それを考えるだけで心が満たされるようだった



「いつまでも一緒に」



そう2人で誓い合った。









「アルヴィン、オレンジの花の花言葉知ってる?」
「いや、知らないな…なんなんだ?」
「えっとね、これ」
「《花嫁の喜び》…ジュードにぴったりじゃねぇか」
「え…///」




End






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