眠れない夜は

2012/04/11 09:50


「…はぁ……」


静かな寝室に僕のため息が吸い込まれていく
隣に寝ているアルヴィンとローエンに気づかれないように身体を起こす。
ベッドに座って窓から眺めた外は僅かに白んでいた








「この街にしばらく滞在するぞ」


そのミラの言葉にみんなは賛成して、今は各自自由時間を満喫している
僕はというと気になった本を見つけて街の散策もほどほどに、宿屋へと帰り先程の本を開く
集中して本を読んでいたせいか誰かが入ってきたのに気がつかなかった。


「ジュード!」

「へ?あ…アルヴィン、どうしたの?」

「本に集中しすぎ、何回も呼んだんだぞ?」

「ご、ごめん………」


いつの間にかいたアルヴィンに気づけない程集中していたのか…と頭の中で反省するが、ふと疑問が浮かぶ。


「あ、そういえばどうしたの?アルヴィン。」

「ちょっとジュードに話があってな」


そういってアルヴィンは僕の隣に座って僕を見てくる。


「話って……?」

「最近眠れてないだろ」

「!」


僕の目の下に親指をあて、断定を含んだ質問をかけてくる
バレていたことに驚きを隠せなくて、アルヴィンの目を見れなくて視線を下げる


「…ここ最近、…あんまり……」

「やっぱりな」

「ごめんね……」

「謝ることじゃないだろ?」


隠していた事を申し訳ないと思う気持ちに視線だけじゃなく顔まで俯く。
目元からアルヴィンの手が離れていったと思ったら、今度は頭を撫でられた


「そういう時は俺を頼ったっていいんだぜ?」

「でも……」

「ってことで…」

「え?」


頭を撫でていたアルヴィンの手が僕の背中に回される。
そのまま抱きしめられたと思ったら次の瞬間にはアルヴィンと一緒にベッドに横になっていた


「え、え?」

「一緒に寝ればよく眠れるだろ?いいから寝ちまいな」


抱きしめられているせいかあったかくて、どこからかくる安心感が胸を占める。
更に頭を撫でてくるアルヴィンの手が心地よくて睡魔が襲ってくる。


「ほら、寝とけ。ちゃんと起こしてやるから」


その言葉にうつらうつらとした思考で頷いた


「…夜はお仕置きだな…」


そう呟いたアルヴィンの声は僕には届かなかった。








(ジュードはどうだった?)
(ちゃんと寝てるよ。しかし、おたくがあんなに気にかけるとはね)
(当たり前だ、ジュードが倒れたら誰がご飯を作るのだ)
(そっちの心配かよ!!)


End








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