みんなの前=殺伐、2人きり=イチャラブ
2012/03/28 23:11
僕とアルヴィンは…
俺とジュードは…
秘密にしていることがある
「よう、優等生は今日もご機嫌ナナメだな」
「スヴェント先生が話しかけに来なければいつでも機嫌はいいですよ」
「また始まったよ…」
ここのところ毎日行われているずぼら教師アルヴィン先生と優等生ジュードの口論。
元々正反対みたいな性格だから衝突くらいするんだろけど…
「つれないねぇ…先生泣くぞー?」
「なら泣けばいいじゃないですか。僕は止めませんけど」
「うっわヒデーな」
「はぁ…ジュード、私先に教室帰るからねー」
「あ、僕も帰るよ。これ以上ここにいたくないし」
「なんだと!?」
「うるさいです、スヴェント先生」
相手にしてるだけ無駄だと思って私は未だに言い合いをしている2人に背を向けて教室へと戻る廊下を歩いていった
だから後ろで何かを話していた2人に気がつかなかった。
放課後いつものように一緒に帰ろうとジュードを探したけど教室には既にいなくて、どうしたんだろうと思ったけどまぁいっかと大して気にせずにそのまま教室を出ていった。
放課後、ホームルームが終わったと同時に教室から出て目的の場所まで出来るだけ急いで向かった。
なるべく早く、そして余り見られないように。
そうして着いた場所は科学準備室、そこにいる人は……
「アルヴィン…?」
「ここだ、ここ」
準備室に入ってドアを閉めて目的の人の名を呼ぶ。するとすぐに机の隙間から少しだけ髪が見えた
「ごめんね、遅くなった?」
「いや、さっき来たとこだし気にすんな」
そう話しながら準備室の奥の方にある机まで行くと、床に座り込んでいるアルヴィンが両手を開いて僕を呼ぶ。
その呼び声に答えるように僕はアルヴィンの腕のなかに飛び込んだ。
「しっかし、最近ジュードの言葉が胸に突き刺さるんだが」
「えっ!?ご、ごめんアルヴィン!」
「そんな顔すんなって、他人の前ではああしようって決めたんだからさ」
「でも……」
「俺はこうやって一緒にいられるだけでも嬉しいから、な」
そういって俯いた僕に頭を撫でてくれる手の温かさに安心して笑顔を見せる
僕とアルヴィンは恋人同士。なのになんで口論をしてたのかって?
出会った頃の僕達は本当に今みたいに顔を合わせたら口論っていうのがずっと続いてて(まぁ大抵はアルヴィンが言った事にたいして僕が反論してただけなんだけど)、
それを繰り返してたらいつの間にか好きになってて…
今更今まで口論し合ってた2人が急に仲良く〜なんておかしいから他人の前では今まで通りでいようって話し合って決めたんだ。
そしてたまにこうやって2人きりの時間を作ってこっそり会ってるってわけ。
「僕、ここを卒業したらアルヴィンと一緒に住む」
「はっ?!」
「だってアルヴィンともっとずっと一緒にいたいんだもんっ」
「ジュード…」
「ダメ、かな…」
顔を見るのが怖くてアルヴィンの胸に顔を埋めているとふいに強く抱きしめられた。
「アルヴィ」
「卒業して一緒に住んだら…」
「え…?」
「ジュードのお父さんに息子さんをくださいって言いにいかないとだな」
「え、それって…」
「愛してる、ジュード」
「!!…僕も…愛してるよ、アルヴィン…」
「顔真っ赤にしてかわいいねぇ」
「う、うるさいっ!」
真っ赤になった顔を見られないように俯いているとアルヴィンの指が僕の顎にそえられて触れるだけのキスをした。
みんなの前=殺伐、2人きり=イチャラブ
(ほ、ほんとに行くの?)
(言っただろ?お父さんに言いにいくって)
(でも…)
(大丈夫だって、んじゃ行きますか)
End
後書き
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