貴方へプレゼント

2012/03/14 00:26


辺りは暗く俺はジュードの家へと急いでいた


「くそっ、思ったより時間かかっちまった」


悪態をつきながらポケットの中身を確認し、笑みを浮かべる。
そのまま急ぐ足を止めずにジュードの家へと向かった









扉を開けて真っ先に目に入ったのは机の上に突っ伏して眠っているジュードだった


「寝ちまってるか…こんな時間だもんな」


苦笑混じりに眠っているジュードの頭を撫でると部屋を一通り見渡す。
綺麗に整理された部屋は真面目な彼の性格を表していた




「んっ………」


しばらく部屋を眺めていると小さく身じろぎして寝ていたジュードが顔を上げた
起きたのかと声をかける前にジュードはまだ寝ぼけている目で俺を見た


「あれ……アルヴィンがいる…?…なんで…?」

「よっ、ジュード。机で寝るのはダメだって言っただろ」

「え…?あれ、寝てた…?」


目をこすりながら体を起こすジュードに近づき、未だに眠そうなジュードを椅子から抱き上げて部屋の奥にあるベッドへおろすとその隣へ横たわった。


「…?……アルヴィン…?」

「ジュード、明日は休みか?」

「?……うん…そうだけど…」

「じゃあ用事は明日にするから、もう寝ちまえ。眠いだろ?」


うん、と軽く頷いたジュードを抱きしめそのまま眠りに落ちていった







次の日の朝、俺はジュードの声で起きた


「……ぇ…ええぇぇぇ!!?」

「なんだ…?どうした、ジュード」

「な、なん、なんでアルヴィンがいるの!?」

「昨日の夜にな。ジュード寝ぼけてたし」


俺の腕の中で焦っているジュードを少し強く抱きしめる。


「どうしたの、アルヴィン?」

「いや、ジュードに渡すものがあってな」

「渡すもの…?」


抱きしめた格好のままポケットに手を入れて目当てのものを握り締めるとジュードの前に持って行く


「ジュード、これ」

「なに?」

「手出して」


不思議そうにしながら差し出すジュードの手に握っていたものを渡す


「…鍵…?」

「新しい家の鍵な」

「え…?」

「だから新しい家のだって」

「え、ちょ、なんで……」


ジュードは鍵を握りしめたまま聞いてくる


「……バレンタインのお返しだよ。これでも結構悩んだんだからな…ジュード、一緒に住んでくれるか?」

「…………」

「ジュード…?」

「ごめ、…なんか…嬉しくて…」


鍵を握りしめたままジュードはポロポロ涙をこぼしていた


「おいおい、泣くなよ」

「ごめん、ね…うれしいのに…」

「気にすんな。むしろ俺も嬉しいからさ。それって」

泣くほど嬉しいってことだろ?


そう耳元で囁くとジュードは耳まで真っ赤にさせていた





「さて、いつ引っ越しするか」
「なるべくなら…早いほうがいいな」
「なに?そんなに俺と暮らしたかった?」
「べ、別にそんなんじゃ…///」


End






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