[> 空中ランデヴー






(逆トリ話)



「最近、帰りが遅いではないか」


帰宅し、さてゆっくりできるぞと思って玄関を開けたら、逆トリップして来て我が家で暮らしている三成くんが仁王立ちで私を出迎えてそう宣った。
いや、嫌々。お前と一緒に生活するために働きに行ってるんだろ。それを何、彼女みたいなこと言っちゃって。
思わず口から出そうになったその言葉をぐっと呑み込む。そんなことを言った日には「貴様っ!斬滅してやる!」のお言葉を貰うに決まってるのだ。
仕方ないので三成くんの口辺りを見ながら答える。

「残業がね、あってね。」
「ほう、残業」
「そう。もうすぐ大きな企画があるから、忙しくって帰りが遅いのよ」

三成くんが眉を顰めた。怖い、泣きそうなくらいには怖い。

「私は」

怒りを含んだ声に恐る恐る三成くんの目を見る。

「私は、お前に何かあったのではないかと」

目が合った。
あまりに私は間抜けな顔をしていたのか、三成くんはキッと私を睨んだ。しかしながら怖くない。むしろ可愛さすら覚える。末期だなあ、自分。

「心配したの?」
「誰が」
「三成くんが」
「私が?」

まさか。そう嘲笑って三成くんは背を向けた。
いや、待てそこの人。あの言葉からはどう考えたって心配した、以外には繋がらないだろう。
私は自分で考えて少し恥ずかしくなって、三成くんの背中を照れくさい思いで見た。


「何をしている」


リビングのドアノブに手をかけていた三成くんが振り返った。

「早くしろ名前」
「…うん。うん!」
「返事は一度きりだ」
「はい!」


靴すら脱いでなかった私はいそいそと脱いで三成くんの背を追った。





「ねえ、もう一回名前を呼んで?」
「名字」
「ああ、惜しい!けど全然違うよ三成くん!」






三成可愛いよう三成。
(ルイ〇コピペ略)


 

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