bkts long | ナノ
初日から大変だった。あの後倒れた二人は保健室へと連れていかれ、特にあの事件は世間に広まることなく終わっていった。
あの後秀吉ちゃんからは距離をおいて席の近い人と話していた。変なクラスなのは分かったが、優しい人が多くて楽しかった。私の頭のレベルと同じな人ばかりなので話しやすくて、それに男子ばかり。よくよく考えれば逆ハーじゃないかとよからぬ考えが頭に浮かぶ。
「えっと、にやけてるとこ悪いんだけど…」
『Σ(゚д゚)』
ちくしょう!なんてバットタイミングで話しかけてくるんだ。私の顔今絶対ヤバかったでしょ!!
『あー、えっと…?』
「う、うちは美波。島田美波って言うの!よろしくね」
「私は姫路瑞希と申します。よろしくお願いします!」
『私名前。よろしくね!美波、瑞希!』
「「 /// 」」
昨日は話さなかった美波と瑞希と仲良くなった。Fクラスは女子が私を含めて4人しかいないから仲良くなるのは必然的だった。それにしてもいきなり名前で呼ばれるのに驚いたのか、二人は赤くなって照れながら少しはにかんだ。
『それにしてもここの女子はレベル高くて困るよー、瑞希はスタイルいいし、美波はかわいいし、秀吉ちゃんは美人だし』
「…名前、木下は一応男よ?」
『またまた、美波までそんな冗談いうんだから…秀吉ちゃんは女のk「昨日あれだけ言ったのにまだ分からんのか?」うぇえ!秀吉ちゃん;;;』
背後から話しかけられ異様なまでに反応してしまう自分に驚いた。なんだか昨日が昨日だから何かと恥ずかしくて頭は混乱する。
「名前ちゃん、木下くんは男の子ですよ」
『瑞希まで言うか!みんなで私を騙そうなんて、ひどくなめられたもんだよ』
「…名前。じゃあその目で確かめてみるかの?」
『…へ?何言っ』
言い切る前に秀吉ちゃんは立ち上がって私の腕を引っ張る。抵抗しようにも、秀吉ちゃんの力は見た目より数倍も強くて、逃れられない。
『ちょ、はな…』
「…」
無言で引っ張る秀吉ちゃんが恐くて、目の前が涙で滲むのがわかった。
しばらく歩くと、人気はどんどんなくなっていて、誰もいない真っ暗な倉庫へと入っていく。
「…ふぅ、」
『…っぐす』
「!!名前?、…悪かったのぅ…」
泣いているのに気付いた秀吉ちゃんは私の涙を拭き取り、優しく頭を撫でた。その暖かみで、私はすぐに落ち着いてしばらく沈黙が続いた。
「名前、まだわしのことを女じゃと思っておるのか?」
『…うん』
「…なら仕方ないのぅ、わしが脱いだら分かることじゃ」
『!?///』
かちゃかちゃとベルトに手をかける秀吉ちゃん。いやいや!いくらなんでもダメだろ!
『わっ、分かった!秀吉ちゃんは男なのね…うん』
「…本当に分かったのか?」
『う、うん。そんなことまでするくらいだもん、ね』
「じゃあ秀吉ちゃんはやめるのじゃ」
『え、と、じゃあ秀吉くん?』
「…秀吉でよい、」
不意に腕を掴まれそのまま引き込まれる。上からは秀吉、の吐息が聞こえて、前からはどくんどくんと脈打つ心臓がうるさい。これはつまり、抱き締められて…!?
『ひ、秀吉くん?///』
「くんは付けんでもよいと言っておるじゃろう」
『…秀吉///』
きつく抱き締める秀吉はなんだか男らしくて、私の心臓までうるさく鳴り響く。
「名前、わしは…」
秀吉が話し出した瞬間、バァアアアン!と勢いよく入り口が開いた。
「や、やっぱり木下と苗字はできてる!美少女カップルだぁあああ」
「「萌えぇえええええ!」」
昨日の二人が先頭をきって突入してきたようで、さらに10人くらいの野次馬とカメラで写真を撮りまくっている人が1人いた。どいつもこいつも昨日Fクラスでみたことのあるような奴ばかりで呆れた。
「…いい、このアングル…最高!」
『あの、撮らないでほしいんだけど…』
「…こんないい被写体前に撮らないのはカメラを持つ資格なし。」
そんな間にもカシャカシャ撮りまくるこの人は話しても聞かなそうだ。
『とゆーか…秀吉?いい加減離し…』
「…わしらは付き合ってなどおらん」
『…秀吉?』
いきなり集団の方を向いたと思えばなにやら話をはじめた。
「嘘はやめろ!現に今も抱き合っているし、それに昨日なんか押し倒していたじゃないか!」
「…それは事実じゃ、じゃがこれらは皆、わしからしたこと…つまり、付き合っておらん、勝手な片想いじゃ」
『…は、///』
「「「…え」」」
「ちゃんと男として、じゃ」
告白という名の公開処刑
(こっちまで恥ずかしいんですけどぉおおお!///)(ふと他へ目を向けると)(さっきまで写真を撮るのをやめなかったアイツが手を止めて秀吉を睨んでいた(同性愛じゃなかったことを恨んでいるのだろうか))
◎早く康太といちゃつかせたい
(おまけ.バカテスト↓)
【第2問】
以下の意味を持つことわざを答えなさい。
『(1)得意なことでも失敗しまうこと』
『(2)悪いことがあった上に更に悪いことが起きる喩え』
姫路瑞希の答え
『(1)弘法も筆の誤り』
『(2)泣きっ面に蜂』
教師のコメント
正解です。他にも(1)なら『河童の川流れ』や『猿も木から落ちる』、(2)なら『踏んだり蹴ったり』や『弱り目に祟り目』などがありますね
土屋康太の答え
『(1)弘法の川流れ』
教師のコメント
シュールな光景ですね
吉井明久の答え
『(2)泣きっ面蹴ったり』
教師のコメント
君は鬼ですか
苗字名前の答え
『(2)踏んだり縛ったり』
教師のコメント
SMチックにするのはやめてください
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