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遂に、遂にこの日がやってきた…!

私はこの年、ここで、生まれ変わる!!



『先生!』

「おぉ、苗字。お前が1番にくるとは…頭でも打ったか?」

『ち、違います!私はクラス分けの結果を早く聞きにきたんです。今回は結構自信あったし、勉強もしてたっていうか…』

「そうか、本当によくがんばったな」



にこりと体型に合わない表情を浮かべる鉄人に内心引きつつも、その言葉に私の期待は膨らむばかりだ。Aクラス…いや、Bクラスでもよしとしてやろう。なんせこの学校、バカならとことんバカだけど頭いい奴だってたくさんいるし、仕方ない。



『で、どうなんです?先生。勿体振らずに、言っていいんですよ?Aくら「Fクラスだ。おめでとう苗字」



へぇ、ありがとう先生。








教室に着いた。廊下から見た見た目『ボロい』中に入ってみる『ボロい』どの角度からどんな贔屓目でみても『ボロい』ものは『ボロい』のだ。



『…』



こんな教室にくるバカには当然私ほど早く登校する人なんていなくて、閑散としていた。暇になって適当に一番後ろの窓際のちゃぶ台に座った。少なからず席くらいは確保した方が精神的にやられないだろう。



『にしても、なんで…』



不意にため息がでる。今回のテストは前の日に徹夜したから完璧だと思うんだけど…。夜食にラーメンつくるのに時間を費やしたとか、テレビつけたらドラマの再放送が3本続けて放送されてたとか、英文一行書いて飽きたから他の余白を落書きで埋めたとか、そんなことくらいしかしてないのに!なんで…。



やり場のないもやもやを抱え畳へ寝転がると、ガラガラと詰まりながら汚い襖が開き、入ってくる人。いや、美少女。



『あ、おはよう』

「おぉ、お主早いのぉ…これからよろしく頼む」

『うん、よろしくー』



へらりと適当に笑うとその子は暇だからかは知らないけど私の近くに腰を下ろす。近距離だと余計にかわいくて、自分の醜さに泣きそうになった。



『名前なんてゆーの?』

「木下秀吉じゃ、お主は?」

『私は苗字名前。秀吉って、変わった名前だね』

「そうかの?確かにあまりいないが」



こんなに可愛いんだからもっと女の子らしい名前かと思った。名付けた親御さんごめんなさい。…あれ?



『女子ってズボンでもいいの?』



知らなかったーと自分のスカートを少し掴んでぱたぱたさせる。それなら私も今度からはズボンにしよう。



「なっ!何を言っておるのじゃ、わしは男じゃぞ!?それにそんなことしたら、…下着が、見える…///」

『…what?』



何を言ってるんだ秀吉ちゃん。どこからどうみてもただの美少女な君が男な訳がないじゃないか。あ、もしかしたら男装癖があるのかな…?性同一性なんとかとか…



『そっか、秀吉ちゃんも苦労してるんだね』

「だからわしは男じゃ!」

『ほんとに?』



まだ信じられる訳がないので少し試してみる。自分のスカートを徐々に捲って、少しずつ白い肌を露にする。女なら、きっと同性だし特に何も思わないだろう。



「なっ////何をしておるのじゃ!やめんかッ…」



真っ赤になって目を反らす秀吉ちゃん。え、なんなのその反応!まるで純粋な少年のような…いやいや!秀吉ちゃんは女の子だって、絶対!!



『別に女同士だし大丈夫でしょ?』

「〜っ、いい加減にしろ!わしは男じゃ…」



捲る手を強引にとられ、古くさい畳へ組み敷かれる。その一連の動作は普通の男みたいで、力も強くて驚いた。…じゃなくて!コノ体制ハヤバクナイデスカ?



『ひ、秀吉ちゃん?』

「名前が悪いのじゃぞ?わしを誘惑するから…」

『っ、///』



切なそうな声を耳元で聞かされてゾクッとする。それから少し離れて、にやりとかっこよく笑う秀吉ちゃんは、美少女というか、ただの美少年だ。そんな秀吉ちゃんを見上げていると、段々距離が縮まって綺麗な顔が近づいてくる。え、ちょ、まっ…



『ひっ、ひで…///』

「…名前」



ええい!もうどうにでもなれ!!と固く目を閉ざすと ガラガラッ と汚く扉が開いた。





「おっ!俺たち一番…じゃ、ない///」

「!!美少女と美少女が愛し合っている!!?///」


「「萌えぇえええええええええええええええええ!!」」



入ってきた二人は入ってくるなり倒れた。


登校初日の勘違い
(二人が入ってきた瞬間)(秀吉ちゃんの綺麗な顔から舌打ちが聞こえたのは)(気のせいだと思いたい。)



(おまけ.バカテスト↓)



【第一問】

調理用の為に火にかける鍋を製作する際、重量が軽いのでマグネシウムを材料に選んだのだが、調理を始めると問題が発生した。この時の問題点とマグネシウムの代わりに用いるべき金属合金の例を一つ挙げなさい


姫路瑞希の答え
>問題点…マグネシウムは炎にかけると激しく酸素と反応する為危険であるという点。
合金の例…ジュラルミン

教師のコメント
正解です。合金なので『鉄』ではだめという引っ掛け問題なのですが、姫路さんはひっかかりませんでしたね。


土屋康太の答え
>問題点・・・・ガス代を払っていなかったこと

教師のコメント
そこは問題ではありません


吉井明久の答え
合金の例…未来合金(←すごく強い)

教師のコメント
すごく強いと言われても


苗字名前の答え
>問題点…鍋を作り出そうとしたこの人の頭の悪さ
合金の例…ゴーキン(←かなり強い)

教師のコメント
そこはそっとしておいてあげてください。例が吉井くんと似ている貴方の頭も心配です
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