ここでお世話になるにあたってお互い気を使わないこと面倒事はなしと、とりあえず大雑把なルールが決まった。
今日は俺が作るからと晩御飯をサイタマくんが作ってくれている間、私は何故か手放さずに持ってきていたバッグを開いてみる
バッグの中身はあまり期待していないが入っているものを取り出して確認していく
まず見つけた学生証らしきものは私の存在を確立していなかった。
身に覚えのない私の顔写真は載っているだけで後は住所も何も書かれていない学生証。
「役に立たないなあ」
独りごちりながら数個のポーチらしき物を確認して、一気にバッグの中身を床へひっくり返してぶちまけてみる
「ぅおおおお!」
「んな!なんだ急に」
急に叫んだなまえにサイタマが反応するが気にしてられない
「ぅわわわわわ、私の!」
「どうした!」
「私のお財布がありました!」
「よかったな」
うんと返事をして中身を確認すれば最後に見たときのままで、サイタマくんに金銭的負担を初っ端からかけなくて済んだことにホッと息を吐いた
次の日が休みだったこともあって調子に乗ってお金をバンバンおろした自分の行動を褒めたい。
「できたぞ」
「はーい」
広げた荷物を片付けてテーブルの上にスペースを作る。
置かれた2人分は皿も茶碗もバラバラで普段彼が使っている方を私に出してくれているのだろう
「茶碗揃ってなくてすまんな」
「押しかけた私が悪いので」
「そうか」
サイタマくんが料理に口をつけたのでいただきますと声をかけてから私も食べ始める
「美味しい!」
「そうか?」
「人の作ったものって一人暮らしをしてるとなかなかいただけないから」
「確かにそうかもな」
何を取っても美味しい美味しいと食べるなまえにサイタマは内心嬉しく、箸を進めた
「サイタマくん明日お買い物へ行こうと思う」
「おお、行ってこい」
「道わからないから連れてって」
「あ、そっか」
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