「まあ、あがれよ」

お邪魔しますと控えめな声が聞こえた、部屋へ上がることを躊躇する彼女を横目に玄関へ入ってすぐ横にあるスイッチを押す。
光に照らされた姿は今日もワンパンでぶっ飛ばしたやつの体液で汚れている

だからもじもじしてたのか

先に風呂はいるか?と口に出したが女子高生、犯罪、逮捕の文字がすぐに頭に浮かんだ。あわわ、あわわと違うんだそういう意味でそうじゃなくて等と吃りながら謎の弁解を必死にしているとクスクスと笑い声をあげ、わかってますよと言った彼女にホッと安堵の胸を撫で下ろした

簡潔に狭いユニットバスの使い方を説明してドアを閉め際にありがとうございますと少し震えたか細い声が聞こえた。んっと軽い返事をして彼女の部屋着を用意しに部屋へ戻る


しばらくしてからありがとうございましたと、ほかほかと少し湯気を纏った彼女が部屋へ戻ってきた

「あの?」
「ああ。茶、煎れる」

自分の服を着ている彼女にいいな、と考えると声をかけられ出来るだけ自然を取り繕って茶を煎れるために席を立つ

「ありがとうございます」

ペコリと頭を下げた彼女は礼儀のある感じで好感が持てた。来客用にとよけてあった湯のみを取り出し慣れた手つきで茶を注ぐ

2人分の湯呑みを持ってテーブルへと目線をやると部屋の邪魔にならない隅の方で立ち尽くしている彼女が視界に入った

「座らねぇの?」
「あ、の、どこに座っていいのかわからなくて」

眉を八の字に下げて今にも謝りそうな彼女にそこに座ればと声をかければ失礼しますと一言置いてからおずおずと腰を落ち着かせる

「ほら」
「ありがとうございます。」

対面に座ったサイタマから受け取ったお茶を両手で持ち暖かさを確認してから彼女は口元で小さくいただきますと呟き、くいとお茶へ口をつけた

やましい気持ちはない

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