「は、はあ…とりあえず、お久しぶりです」
正直、実の両親にあってみたいとは思っていたものの、顔も覚えていないため全く実感がわかない。私は豊臣秀吉と竹中半兵衛にぎゅうぎゅうと抱きしめられながらも、これからのことを冷静に考えていた。
「あの、これから私はどうすればいいんです?できれば、小太郎ちゃんと一緒にいたいんですけど」
私がそう言うと、あれよあれよと話は進み私は竹中半兵衛の養子として引き取られることになってしまった。小太郎ちゃんは豊臣に雇われることで収まる手はずになったのだが、ここでまた一悶着。
小太郎ちゃんが懐から紙を取り出し書いた一言である。
『風魔小太郎の主はナマエただ一人であるため、豊臣には従うことはできない』
それに驚いたのは私だ。
えっ、私いつから小太郎ちゃんの主になったの?
それをみた竹中半兵衛はクスクス笑い、それならナマエにつかえればいい、給料は豊臣が出そうと言ってくれた。
私はこれから豊臣秀吉を秀吉様、竹中半兵衛を父上と呼ぶことになった。
なんだか違和感ありありだし、いきなりのことで全くついていけないけれど、正直楽観主義者な私はま、いいか。と思ってしまったのである。そうして、私の竹中ナマエとしての生活は始まった。
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