4 異世界

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大谷さんは小さく呟いたあと、固まってしまった。わけもないと思う、私だったら発狂して叫びまくるかもしれない。
しばらく無言、不動の時間が続いた。時計の針は23時をさしている。正直眠いけど、明日が土曜日で本当良かったと思う。

「つまりここは…日ノ本ではないということか?南蛮か?海の向こうの国々か?」

「えっと、多分、あなたの世界とここは、根本的に違うと思います。ちょっと時間いただけたら今の状況を私的に考えた仮説を説明させてもらいますけど…」

大谷さんはこくりと頷き、輿を床におろした。話を聞くという意思表示だと私は解釈して、紙を一枚取り出す。そして、マジックで一本の線を引いた。

「まずこれが、一筋の時間の流れだとします。」

次にそこから何本かの線を伸ばし、木の枝のような図を書いた。

「無数に枝分かれした世界があったとして、大谷さんは何かの拍子に世界同士の敷居をまたいでしまったのではないかと思われます。
大谷さんは戦国の世から来られたんですよね?私たちが今いる世界には戦はありません、もちろんこの世の何処かでは今でも戦争…は、ありますが。少なくとも、この日本にはありません。」


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