「……」
無言で綺麗なピンクのゼリーを近付けてくる康太はいつもより頬を赤く染めていて可愛い。言いたいことはわかってる。

「だから、あーんってしてくれなきゃいや」

「…意味がわからない」
相変わらずツン全開な康太は素晴らしく可愛い。料理も上手いし、最高の恋人だと思う。

「……はやく、食え」
今日の授業で作ったゼリー。
康太は味が苦手らしくて、一流シェフが作ったようなゼリーを僕にくれた。
少し頬を染めながら、俯く康太はさっきからそわそわして落ち着かないみたい。僕は康太を食べたいよ!
「美味しい!」

「……あ、そ、そうか」

「うん!流石康太だねっ」
満面の笑みで答えれば、康太は無言でスプーンを僕の口に突っ込む。ちょ、詰まる!顔を覗き見ると、耳まで真っ赤にして僕を見ていた。照れ隠しも最高に可愛い!

「美味しい、よ。ほら」
また一口含んで、そのまま康太にキスをする。不意打ち過ぎたかな?また殴られるんじゃないかとも考え、ゼリーを康太の口に流し込む。
口を離した時にひいた糸が性的で、思わず生唾を飲んだ。

こくん、と康太の喉が動き、
「……この、バカ…!」

可愛くない単語を発する。顔真っ赤にしていわれても、ねぇ。素晴らしく僕の性欲をそそるだけだよ!もうほんっとに可愛いなぁ、食べちゃいたいくらい。

「康太」
ちょっと真剣な声で名前を呼ぶ。康太がこれ弱いの知ってるから。

「……なに」
僕の予想通りで、康太は熱っぽい目で僕を見上げた。妖艶、って言うんだっけ?艶かしい。

「大好き!」
そう言って抱きつけば、なんとか視界に入る耳が更に赤く染まった。

僕の恋人は、
料理が上手です。