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「僕の人生、半分をあげるのであなたの人生を半分下さい」


風が舞って、思わず髪を手で押さえた。そして目の前の人物を凝視する。
頭上の空と同じで泣き出しそうな、そんな顔でこちらを見つめるレギュラスブラック。


「怖いの?」
「…怖い?」
「…闇の帝王が怖い?」
「怖いですよ?でも僕は成し遂げなくてはならないんです」
「私も道連れなのかしら?」


その言葉にレギュラスブラックは返事をせずに天を仰いだ。嗚呼、今にも泣き出しそう。


「それに私の人生なら殆どあなたのものだと思うけど?」


ホグワーツ入学前から家族間で親交があった私達はもう長い時間を共にしていた。


「それはそうかもしれませんが」
「それに、ここまできといて今更聞くかなそんなこと」


ゆったりとまた顔をこちらに向けるレギュラスブラック。


「私の人生、半分どころか全部あげるよ。もうずっと前からそのつもり」


あなたが真の闇にのまれた時から。闇の帝王を崇拝しだした時から。ずっとずっと。


「泣かないでよ」
「泣いてませんよ?雨が降ってきましたね」
「ほんと、降ってきたみたい」


そういって私はレギュラスブラックの頬を伝う温かい雨を拭った。



10.8.11
時間軸としては、帝王を裏切る前ぐらい。
あの名台詞も私にかかればシリアスな雰囲気に大変身。

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