「で、シリウスくんはいつなまえに気持ちを伝えるんだい?」
「まだ早いっつーの」
「なまえの中のシリウスに対する優しいヒトっていう評価も上がってるんじゃなかい?」
「そうかぁ?」
談話室に男2人。
悪戯の相談をしようとジェームズが提案し、今に至る。しかし何時の間にか悪戯の相談から話は外れ、色恋話に移っていった。それは男女一緒だ。
「そういうジェームズこそエヴァンズにはどうなんだよ」
「僕?そうだね、うん、なかなか…なかなか」
「なんだよ」
口を濁したジェームズの言わんとしてることなんて分かりきっていた。だが、それを敢えて尋ねる俺は悪魔か。
「難しいのさ、彼女は鉄壁だね」
「そこは惚れた弱みだろ」
「知ってる」
ジェームズは溜め息を盛大に吐き、ソファからずるずると崩れ落ちた。俺はその様を見、笑いが零れた。
「シリウスも直に分かる」
その笑いはピタリと止んだ。
09.11.18