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あーあーあー。こんなところを誰かに見つかったりしたらどうなることか、あなたは理解した上で今そこでそうしているんですか?前々から仕様のない人だと思ってはいたが、まさかここまでとは。いい加減にして下さい、どこまで僕の気持ちを弄べば気が済むんですか。


「はあ…」


それはもう大きな溜め息が部屋に木霊した。というのも僕の鮮やかなグリーンのカバーが掛けられたベッドに先客がいるからだ。それもローブなどは羽織っておらず、短いスカートに胸元までボタンの外されたシャツ、緩くなってしまったグリーンのネクタイ。ああ、もうだらしない!


「そんな姿でどうなっても知りませんからね」


ぎしっと軋んだベッドのスプリングが妙に官能的でドキっとした。近付くにつれてなまえさんの人為的ではない香りが強くなっていく気がし、触れることを躊躇った。


「なまえ、さん?」


何度目かになる声を掛けたが、反応はなく静かな寝息が聞こえる。その乱れない一定のリズムで聞こえる寝息は熟睡していることを意味している。何か思惑があってこのようなことになっているのかと考えもしたが、この人はそんなにも強かな女性ではない。スリザリン生だというのに。


「ん、」


いきなり前触れなく寝返りを打ったなまえさんのスカートから太腿が露わになって僕は反射的に顔を背けた。少年漫画よろしくなこの状況、実際にはこうももどかしくて居たたまれないものなのかと実感した。ああ、もうあなたって人はパンツ見えますよ!


「ん、…レギュラス?あれ?…私こんなにきっちりボタン留めてたかな?」



09.11.17
(09.11.18up)
据え膳を食すなんてそれの方が男の恥だ、そう思いませんか?とか考えてたらかわいい。
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