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恒星シリウス、意味は光り輝くもの。
恒星レギュラス、意味は小さき王。
僕は小さき王となれましたか?


「クリーチャー!あなた何故レギュラスを止めなかったの!」


なまえは強くクリーチャーを叱責した。
レギュラスブラック、享年18。
16の時ずっと幼少から憧れていたあの人の側近である死喰い人に加わった。もちろんなまえは許すことはなく以前のようなレギュラスとの熱い関係はなくなった。


「なんで止めなかったのよ」
「ご主人様の願いだったのです」
「レギュラスが死んで行くのをただ見ていたというの?」
「それは…」


レギュラスは憧れていたあの人に、いやヴォルデモートにクリーチャーが酷い扱いを受けたことを知った。
しかしそれと同時にレギュラスはホークラックスの存在に気付いた。きっとホークラックスの存在に気付いたのは死食い人の中でもレギュラスぐらいだろう。
結局レギュラスはヴォルデモートのクリーチャーに対する行為に失望し、クリーチャーを連れてスリザリンのロケットを盗み出すことを計画した。
偽のロケットを用意し、ヴォルデモート宛てのメモを残した。
クリーチャーは反対したし大いに戸惑った。しかしレギュラスの中では既に決定事項であった。


「ご主人様!では残されたなまえお嬢様はどうなされるのですか」


クリーチャーの悲痛な叫びにレギュラスはなまえのことを思い出した。ホグワーツ入学前からの幼なじみ。スリザリンで過ごした7年。スリザリンの癖に闇を拒んだなまえ。それなのに何時も傍にいてくれたなまえ。


「なまえは…いや、なまえがもしこの屋敷を訪れたらその時はこの手紙を渡してくれ」
「ご主人様…」
「いいな、これは僕からの命令だ」
「はいご主人様」


そしてレギュラスは死んだ。短い人生のであったと沈みゆく意識の中でレギュラスは思った。
しかしこの行為によってヴォルデモートに少しでも致命的なダメージを与えられたらと思うと、死というものもそれほど怖くはなかった。


「なまえお嬢様、これをレギュラス様から」
「何?」
「レギュラス坊ちゃまからの手紙でございます」


すっと差し出された白い封筒。裏にはご丁寧にも緑色の蝋で封をされていた。もちろん押された家紋はブラック家のものだ。


「レギュラスが私に…」


なまえは文面を目で追い、泣き崩れ、また手紙を封筒に戻し、そして手紙に火を点けた。


「なまえお嬢様?」
「いいの、これでいいのよクリーチャー」


そしてなまえは静かに屋敷を出た。



09.09.27
(09.09.30up)
さようならレギュラスさようなら
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