「レギュラスが眼鏡してるー」
「うるさい」
周りよりも早く夕食を済ませて、誰もいない談話室で読書。
続きが気になって敢えて静かな空間を選んだというのに、予期せぬ事態。
「なまえ先輩どうしてここに?」
「スリザリン生だからです」
「はぁ…あなたと話すと無駄な労力を使わされます」
「失礼な!」
このスリザリンらしくない振る舞いをするなまえ先輩に僕は見事に振り回される。
「で、何で眼鏡してるの?」
「最近文字が少し見えづらくて」
遠視ですかね、少し落ちた眼鏡をすっと手で上げると、それを見たなまえ先輩は喜んだ。
「なんか今の仕草知的だね!レギュラスかっこいい」
「僕は普段から知的ですよ」
「それ自分で言う?」
露骨に嫌そうな顔をしたから無視してやった。
結末が気になって、何よりも優先して読んでいたのにまさかの障害。
「先輩、大人しくしてて貰えませんか?」
「私は常に大人しい」
「常に騒がしいですよ」
「レギュラスが眼鏡だからいけないんだよ」
あなたは眼鏡フェチですか、と問えば即答でイエスと返ってきて溜め息が出た。
「先輩お願いですから」
「じゃあレギュラスのお願いも聞いてあげるから、私のお願いも聞いて?」
「はあ?仕方ないですね、なんですか?蛙チョコは一昨日…」
「キスして」
悪戯っぽい目をキラキラさせてなまえ先輩は言った。
「それで大人しくなるんですか」
「うん」
「御安い御用ですよ」
チュッとリップノイズをきかせてキスすれば、先輩は見事に黙った。まるでシレンシオの呪文にかかったようだった。
そして僕はそのまま赤くなったなまえ先輩を余所に本の世界に戻った。
to be continued?
(いいえ、おしまいです。)
09.09.27
先輩あんまりくっつかないで下さい。