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突然僕の部屋に来たその猫は、僕のシルクで出来たベッドカバーの上を陣取った。


「なんでお前が僕の部屋にいる」
「この部屋もっと広いのかと思ってたー」
「人の話を聞け」
「1人部屋って楽だね」


頼むから人の話を聞いてくれ。僕とお前の会話のキャッチボールは、僕が投げてばかりで返ってきたことがない。


「ねぇお腹空いた」
「我が儘な奴」
「ドラコに言われたくない」
「やっと返ってきたボールがそれか」
「ボール?何のこと?」


なまえはお腹が空いたといいながらも僕のベッドに転がって、持参した雑誌を興味津々に捲っている。


「このドレス素敵ー」


僕はその様を離れて勉強用の机に備え付けられてある椅子から傍観する。


「ドラコこのドレス素敵よ」
「…どれ?」


そう僕に投げ掛けながらも一向に動かない所を見ると、つまり僕に動けと、近くに来いといっているのか。答えは言わずもがなYESだ。近付いて同じベッドに腰掛ける。


「これー」
「なまえにはAラインのこっちのが似合うんじゃないか?」
「じゃあこれはダメ?」


指さされた淡い緑のグラデーションがかったマーメイドラインのドレス。


「まあ似合わなくもないが」
「ドラコこういうの好きかなーって思った」
「そうかな?」
「そうかなってもうすぐクリスマスダンスパーティーなのよ?」


素敵なドレスで着飾るのは当然じゃない。ドラコもそんなあたしに相応しい格好をしなさいよね。


「強引だな」
「あら、あたし以外とダンスパーティーに参加しようと思っていたの?」
「いいや」


なまえだけだ、と答えるとなまえは口角をあげた。
当たり前じゃない、と言わんばかりに。

ちらりとなまえを見れば目を瞑っているもんだから、そのまま僕はなまえに従い口付けた。


窓の外は銀世界。



09.09.20
女子→男子寮○
男子→女子寮×
と書いてあったのをみて
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