赤い痛み


薄ら見える白い天井。


『ん…―』

今何時?

隣にある携帯で時間を見ようとする…………が、ない。


あれ?携帯昨日起き忘れちゃったのかな。

その拍子に重たかった瞼を開け部屋を見回す。


いつの間に私ってこんなに物変えたっけ?

そもそも私の部屋ってこんな感じだっけ?



ちがう。


ちがう!


『ここどこ…?』

「おお、起きたか」


部屋のドアが開きそこに立っていたのは白石さん。

状況が理解できない。


『私、なんで…』

「昨日な自分相当酔っとったで」


白石さんはこっちに向かってくるとベッドに腰をかけた。
うわ近い。


『う、そ……』

「ほんま。調子はどないや」

『…頭、が…いたいです』

「せやろうな。弱いって言っときながらがんがん飲み出すんやもん」

『その…、』

「ん?」


なかなか言い出せない。

全く記憶がないっていうのはほんとに恐ろしいものだ。


自分が何をしたのかを全然知らないから、昨日の自分の行動が不安で仕方ない。
もし何かあったらどうしよう…。


『私、…えっと…』

「どうしたん言うてみ?」

『…なにか、変なこと言ったり…しませんでした?』


恐る恐る聞いてみると白石さんは「ああー」と言い私を見つめた。

突然見つめられたことでドキッとする。


「したなあ」

『えっ?』

「例えば」


少し私の方に体勢を傾けて顔を私の隣におき、耳元でこう呟く。

「帰りたくない、とかな」


その言葉を聞いた瞬間ボッと一気に顔が熱くなった。

嘘!?
私そんなこと言ったの?


何してるんだろほんとにもう。

恥ずかしくてしょうがない。


私は白石さんの顔が隣にあることに耐えられなくなり布団を頭まで被ってベッドに潜りこんだ。


あれ、でもこのベッド私のじゃない。

ここに白石さんがいるなら…とさっきの言葉も繋ぎ合わせていくと自動的にここは白石さんの家だという思考に辿り着く。


じゃあこのベッドも白石さんのものじゃん!
すぐに飛び起き『昨日は迷惑をかけてすみませんでした』と頭を下げる。

するとははっと笑い「急に元気になったなあ。ええよそんな気にせんでも」と心広い言葉をくれた。


疑問はたくさんあるものの「とりあえず朝食食べようや」と言う白石さんの言葉に頷き白石さんのあとをついて行った。



私ほんとになにしてるんだろう…。

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