あたしにはずっと解決できずにいる素朴な疑問があった。


『光』

「なんすか」

『えっちしたらめっちゃ気持ちええやん？あの感覚ってなんなんやろ、なんであないに気持ちええんやろ…』

「はあ？意味わからんのんすけど」


呆れた顔であたしを横目で見る光にあたしは続けて言う。

彼氏を前にしてこんなこと言う彼女はあかんのやろか。
言った後になってそんなことが頭に浮かんだがもう言ってしまったんだから仕方ない。


『あのイく寸前とかさ、なんちゅーか身体全部が溶けそうな感覚やん？せやから…んー…なんて言えばええんかなあー』

「ほんまなんなんすか、急に」

『マッサージとかしてもらったら確かに気持ちええんやけど、えっちの気持ち良さとは全然ちゃうやん』


そう言えば光はだるそうにこちらに身体を向けたかと思えば、突然あたしの両腕を床に押し付けあたしに跨った。


『え、なに』

「そんなもん試すんが一番手っ取り早いやろ」







『そこ…やめっ…ああ、あっぁ！』

「今どんな感じ？」


光に与えられる刺激に喘ぎまくって乱れているあたしに対して、少し身体や額が汗ばんではいるものの表情はまだ理性を残して、声も冷静な光はあたしを見下ろして言う。

そんなこと今言わすんかいな、このどＳ！
ってこいつはそういう奴やったわ。


『ふっ…はぁああ…、ひゃっぁ…ああ』

「言わんつもりならそれでもええわ」


言わせたるまでや。


そう低く呟くと律動のスピードを速める。
あかんあかんあかん、気持ち良過ぎてわけわからん。

部屋に響く肌がぶつかり合う音に、厭らしいぐちゃぐちゃやぐちゅぐちゅと耳を犯していく水音。
もう光にはあたしの弱いところがわかりきっているのかイく寸前になると必ずそこを重点的に攻められる。

そのおかげであたしは何度目の頂点を達したか覚えていない。


何度イかしても律動を止めない光にそろそろあたしの身体は限界に達しそうになる。
イきすぎて逆に苦しい。


「早よ言えや」

『…あた、しの…まんこ…ぐしゃぐしゃされっぁああ゛…気持ち…え…うぁっああ』

「そんで？」

『わ、け…わからん…ああっ、真っ白になる…』





言葉を聞き終われば口角を上げてにやりと笑う光に思いっきり心臓が跳ねた。
あたしにはお構いなしに容赦なく突き続けクリトリスを親指で押し潰される。


『ああ゛…あ、あっぁあクリはあ、っかん…イっくうう…ああっ…！』


目の前が真っ白になって思いっきり潮をふく。
挿入したままだが、ようやく止まった腰にとりあえず一安心する。
まだイった余韻が残るあたしの隣に寝っ転がると、肘を吐いてその上に頭を乗せる体勢になりあたしを見つめる。


「結局わかったん？」

『ん…はっきりは、わからへん』

「はっきりやないならわかったっちゅーことっすか」

『多分な』



行為の疲れから睡魔が襲ってきたので光に背を向けて寝る体勢になる。
だけど、光が許してくれるわけもなく強引に向き直された。


「続き」

『気持ち良さの正体は多分……愛やろ！』

「はあ？」

『光のあたしに対する愛とあたしの光に対する愛がおっきいから、あんだけ気持ちええんやろ』


あたしの答えを自分で求めときながら眉を下げまた呆れた顔で見られた。

今度は光が私に背を向けると小さく、ほんとに聞こえるか聞こえないほどの声だったけど私の耳にははっきり届いた。











「……まあ、あながち嘘やないですわ」



髪から少し出ている派手なものが付けられている耳は、綺麗に紅色に染まっていた。

快感分析