今何時だろ?
そう疑問に思った頃には辺りは暗くなっていて時計は6時を過ぎていた。
時間を忘れるほど外を眺めていたらしい。
正確に行ったら幸村先輩を。
とりあえず早く帰ろう。
まいちゃんにも遅くならないように言われたし。
職員室に行って先生に日誌を渡すと「気を付けて帰れよー」という言葉を背で受けて急いで玄関に向かった。
靴を履き替え学校を出る。
私の家は学校から遠くはないが、近くとも言えない。
徒歩30分くらいはかかる。
はじめは自転車通学にする予定だったけど、私が自転車通学は危ないという理由で徒歩になる羽目になってしまった。
帰り道は街灯が点々とあるからそこまで暗くはない。
コツコツコツ
足音が後ろで聞こえる。
人が他にいるのはいつものことだし特に気に止めない。
ピロロ、軽快な音が携帯から聞こえる。
誰かからメールかな?
携帯を見ようとその場に立ち止まる。
お母さんからメールが来ていた。
返信をするとまた歩き始める。
すると、後ろの足音もまた聞こえ始めた。
あれ?まだ後ろにいるのか。
そういえば先生がSHRで物騒なことが多いって言ってたよね。
思い出すと急に不安になり、少し足を速める。
後ろの足も自分の足に合わせているかのように早くなる。
どうしよう、怖い。
もしかしたら怪しい人かもしれない。
そう思えば思うほど不安に押し潰されそうになる。
あともう少し行けばスーパーがあるはず。
とりあえずそこに入ろう。
息を切らしながら懸命に走ってスーパーに入る。
そして震える手で携帯を持ちある人に電話をかける。
お願いだから繋がって、と願うばかりだった。
何回かプルルルと鳴った後に「もしもし」と声が聞こえた。
『…助けて、くださ…い』
精一杯出した声は
(震えで思うように出なかった)
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