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「え、えっと」



私は戸惑った


なぜなら



「ふざけんな。氷帝の制服きて敵を応援する奴がどこにいる」




うん、まさにその通りだ



「それもそーやなぁ。あ、ジャージあるからそれ羽織ればいいんちやう?」




「・・とにかく駄目だ。氷帝生である限り認めねぇ!いいな?」




跡部は私を一瞥してコートに行ってしまった






「頑固やねぇ。まぁええわ。俺も行ってくるからちゃんと見といてな」



「あ、うん」




結局私はコートの外で見ることにした


位置的には四天宝寺側



へへん、跡部ざまぁ!

とか思ったもののこちら側にも氷帝女子が沢山いた



跡部と蔵の試合が始まったのはその後すぐだった



蔵すごいかっこいい



私きっと初見だったらよだれと鼻血が止まんないよ













「あ、れ」




目の前には、汗をかきながら満足そうな顔をしている跡部と悔しそうにしている蔵が握手している光景が広がっていた
 







蔵はすぐにコートを出て私の方へ来た



「…すまん、折角応援しにきてくれはったのに」



申し訳なさそうに少し俯く蔵



「え、いや蔵よく頑張ってたと思うよ。うん」





・…シーン



え、何この空気


お葬式みたいになってる



今まで蔵の負けたところ見たこと無かったから何ていっていいのか分からない





「く、蔵!」

「なんやねん」

「…へ、変顔ジャンケンしよう!」

「…」

「…」

「なんやねんそれ」

「ジャンケンして負けた方が変顔するの」

「今言うとか、知らんうちにKY磨き上げたんやな」

「うるさい。ほら、じゃんけん、ほいっ!」






蔵チョキ、・…私パー





「…ま、負けただと?」

「負けやね」

「さては後出ししたでしょ?ハメたでしょ?」

「正真正銘の負けや」

「私は正義です」

「負けを認めんやつは正義になれんよ。はよ変顔せぇや」

「…後悔させてやる」



ニヤニヤと笑う蔵は悪魔に見えた





その後、笑い声がコートに轟ろくことになったのは言うまでも無い








「白石のやつ負けたのに楽しそうにしてやがる」


どこかのナルシストが一定の方向を見ながら呟いた



「あ、隣にいるのみょうじちゃんやん」

それを聞いたどこかの眼鏡は少し納得した顔をしながら言った



「どんな関係なんだ、あいつら」

「謙也が従兄妹って言っとったで」

「従兄妹…」














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