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学校に着くと‘四天王寺中学校‘と書かれたバスが止まっていた


蔵の通う中学の名だとすぐわかった



あ、やべ緊張してきた

会った瞬間に3割増ブスとか笑顔でさらっと言われたらどうしよう

気づいてもくれなかったらどうしよう


いやいや、蔵に限ってはそんなこと


…ああ、あるか




私はおぼつかない足取りでテニスコートを目指した





テニスコートにつくとまず目に入ったのは人、人、人


いや女子、女子、女子の方が正しいだろう



こんな高くて大きい声はどこは出て来るんだか



人だかり、いや女子だかりでコートの中が見えない


これは蔵を見つけるのに苦労しそうだ





そう思っているときだった



「…おい」




聞き覚えのある声がした











「…は?」




そう、それは自然に出てしまった言葉


その後に女子の黄色い声が波のように押し寄せた



「ちっ・・・」



腕を引っ張られコートから離れたところにある部室の前に連行された






「何の用だ、アーン?」



ここまでいえば分かるだろう


目の前にいるのは、私が会いたかった白石蔵ノ介でもなく善人でも常識人でもない跡部景吾だ




「ここまでつれてきたんだから、そっちが用あるんでしょ?」



「お前なんかにねぇよ」



ああ、この人と24時間一緒にいたら小皺が大量発生しそうだ

そもそもいたくも無いけど




「じゃあこっちもあんたの100倍用ありません」


「あ?俺はその500倍ねぇよ」


「そんなら私は、あーめんどくさい…なんであんたがここにいるの。今日は学校休みだけど。あ、間違えちゃったの?あほのあほべだもんね」



「な、てめぇ…」



跡部は信じられないという目をして固まっていた











「跡部くんは氷帝テニス部の部長やで」





背後から聞こえた声にドクンと心臓が高鳴った



ゆっくりと振り向く



ああ、やっぱり




「…蔵っ!」



自然と笑みがこぼれた


今までのイライラムカムカが全部吹き飛んだ気がした




「久しぶりやなぁ。元気にしとったか?」



蔵は私に近づき私の頭をくしゃっと撫でた



「てめぇら、どういう関係だ?」



跡部を見ると少し眉間に皺を寄せていた



でたな、キングオブKY




「俺らは、」



「ねぇ蔵。今日は試合何時くらいにやるの?」




私は蔵の言葉を遮った




「ああ!せや!跡部くんと今からやるから呼びにきたんやった」



蔵は手をポンと叩き跡部の方向を向きながら言った



「みんな待っとるで。はよいこうや」



「ああ」



跡部は冷静な顔をして返事をし、蔵と共にコートに足を向けた



それを見て少し不機嫌になる私



よくわからないけど、なんか嫌だった






「あ、なまえ」



蔵は私の方を向き少しだけ微笑み、



「こっちのベンチで俺の勇姿見ん?」



爆弾を放り投げた


























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