[]



朝から最悪


迷惑あほ男跡部景吾に廊下で鉢合わせしてしまった



私はとっさに右横に運良くあった女子トイレに駆け込んだ


もう安心、




と思ったのに





「…ここ女子トイレなんだけど」



「ハッ!俺様にそんなの関係ねぇ!」




どうやらこの人は頭の出来どころか基盤がおかしいようだ




私が駆け込んだと同時に迷惑あほ男跡部景吾、いや"あほべ"とでも名付けようか




あほべも女子トイレに何食わぬ顔で入ってきた


トイレ内にいた女子は、嫌がるどころか黄色い声をあげている



いや、嫌がれよ



「早く出てって。そんなに変態扱いされたいの?」




「お前が目が合ったとたんに逃げるからだろ。あと俺様は変態なんかじゃねぇ」




あんたが此処にいる時点で変態だよ



「変態と目を合わした記憶は全くありません。どんだけストーカーなの」



あほべは少し黙った後、ははーん、と言い口元を緩ませた



そして言った





「お前、俺様に惚れたのか」




私は言葉を失った




この人は一体何を言っているんだろうか



「この前から俺様に対して生意気な態度を取ってたのは気を引くためだろ。あーん?」



私は思わず口をパクパクとしてしまった




目の前にいる勘違い男はのどを鳴らして笑った



「ククッ、言葉を失うほど惚れたか」



そして彼は笑ったまま満足げにトイレを出て行った



何が起こったのか分からなくて、頭の整理をした



「ちょ、待ってよ!」



私は地球がひっくり返ってもありえない誤解を解くためにトイレを飛び出した



だが、トイレをでた廊下に彼の姿はなかった


…最悪



今までの人生でげろはけるほど嫌いな奴に、私が惚れたって勘違いされたの初めてだよ



不愉快な上この上ない



ああもう、最悪しか出てこないや



普通ならこの時点で蔵に電話して助けを求めてるのに


それが出来ないのは、あのあほべのせいだし罪悪感のせいでもある



気が付けば、携帯が壊れた日から結構立つ



おまけに明日は蔵が此処に試合しに来る日



うん、携帯のこと正直に謝ろう




その後あほべに遭遇することも無く平穏な時間を過ごすことが出来た


気分は最悪だけど



私は蔵への謝罪のセリフを考えて考えて考えまくってからベッドについた




不安よりむしろ蔵に合えるドキドキが胸の中を占めていた













- 12 -

PREV|BACK|NEXT
[]
topわがまま
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -