「マルコマルコマルコー!マルコってばマルコー!」


「うるせェよい!一回呼べば分かる!」


「いやあマルコってば結構お年頃でしょ?だから聞こえなかったら大変かなって」


「来いクソガキお仕置きしてやる」


「え?お仕置き?ヤダもうマルコったらエッチ!」


「何をどうしたらそうなるんだい」


「いいよ別に、でも痛いのはキライです」


「お前相手にその気にはならねェ。というかなれねェ」


「なんだと!わたしの何が不満なんだよバナナ野郎!あっ分かったさては不能だな!」


「 ぶ ち こ ろ す 」


「おおっとヤダなあ覇気はやめてよ、若いのが気絶しちゃうでしょ」


「なんでお前は気絶しねェんだよい…」


「愛かな!!!」


「ドヤ顔やめろい」


「マルコは照れ屋だなあ、可愛い可愛い」


「照れてねェ。大体可愛いなんざ言われても嬉しくねェよい」


「え、わたしは嬉しいよ?」


「女と男じゃ違ェだろい。歳も」


「じゃあマルコは何て言われたら嬉しいの?」


「あ?」


「かっこいいー!キャーマルコ素敵!抱いてー!とか?」


「…座れ」


「なんだと」


「いいから座れ。正座」


「はい」


「ハァ…あのな、年頃の娘が抱いてだとかそういうことを言うもんじゃねェよい。大体お前は落ち着きがねェし気品も清楚さもねェ。海賊だから仕方ないと言えばそれまでだがな、いい加減そろそろ女らしくしてみたらどうだい。座る時だって足を開くわ肌着だけで甲板うろつくわ食事をメシだと言うわ、お前は自分が女だと自覚することから始めねェといけねェ」


「何このガチ説教モード」


「返事」


「へーい」


「へーい、じゃねェ。胸に手を当てて今言われたことをオヤジに誓います、と言え」


「は・あ・い。今マルコに言われたことをオヤジとこの可愛い可愛いおムネに誓います」


「ゲンコツしてやる」


「あ、オヤジで思い出した。わたしマルコを呼びに来たんだったよ」


「…は?」


「オヤジが呼んでたよ。すぐ来ないとゲンコツだって」


「それを先に言えェッ!」





















「…何してんだ?」


「あ、エース」


「何してんだよ、そんなこそこそして」


「マルコから逃げてるのさ。ちょーっとふざけただけなのにあんなに怒るなんて、更年期障害ってやつかな」


「…今度は何をやらかしたんだよ」


「失礼な!オヤジに呼ばれているのを伝え損ねかけただけだよ!」


「で?マルコはどうなったんだよ?」


「オヤジに遅ェ!ってゲンコツ喰らってた。それをわたし力いっぱい笑ってやった」


「それはおれでもキレる」


「お願いエース匿って!わたしこのままだと殺される!」


「自業自得って言葉知ってっか?」


「今日の夜ご飯あげるからお願い!マルコのゲンコツ痛いんだもん!」


「お前はマルコのマジのゲンコツを知らねェだろうが」


「マジのゲンコツ?」


「あぁ。すッッッげェ痛いんだぞ」


「わたしもすッッッげェ痛いけど」


「いんや見て分かる。お前には手加減してるね。マジの喰らったらでかいたんこぶが出来るんだからな」


「そうだったのか…」


「ったくよ、書類の提出が遅いだとか寝坊が多いだとかまた食い逃げしただろい〜だとかで毎回殴られるんだぜ、おれはガキかっての」


「いやそれは全部エースが悪いだろ。あんた隊長だろ」


「隊長も人間なんだからミスくらいするっつうの。それをガミガミガミガミ、ほんと更年期障害かって」


「あ」


「ん?」


「後ろ」


「後ろ?」


「誰が更年期障害か、詳しく聞かせて貰おうかい」


「げっ!マルコ、いつからいたんだよ!」


「たった今だよいこのクソガキが!」


「ちょ、タンマ!お前がキレてたのはこいつだろ!」


「マルコ、エースねマルコのゲンコツすッッッげェ痛いんだマジ有り得ねェあのクソパイナポー缶詰めにすっぞハゲ、って言ってた」


「言ってねエエエエエエエ!それお前が思ってることじゃねェのか!」


「覚悟は出来てんだろうなエース」


「しかも信じるのかよ!」


「うるせェ黙れ!歯ァ食いしばれ!」


「お腹空いた、サッチんとこ行こーっと」





















「サッチ〜お腹空いたなんかちょうだ〜い」


「あーん?晩飯もうすぐだろ、我慢しなさい」


「やーだあ、わたし我慢出来なーい」


「駄目」


「なんでだよう!わたしがこんなに可愛く頼んでるってのにこのアホ!」


「悔しかったらもっと色気たっぷりにおねだりしてみな」


「ぐぬぬぬぬ…!わたしはキュート系なの!セクシー担当なナースなの!」


「じゃあ我慢だ」


「ちくしょうサッチのドスケベ!」


「男はみんなスケベな生き物なの」


「…はい先生、質問です」


「うむ、なんだね」


「どうしたらナースみたくおっぱいがたゆんたゆんになりますか」


「ブフォッ」


「ちょ、汚ね!味見してたやつ吹き出すなよ!鍋にこぼしたら駄目だからね!」


「お前がいきなり変なこと言うからだろうがよ!た、たゆんたゆんっておま…」


「だっていいじゃん。羨ましいんだもん」


「お前だってそんなちっちゃい方じゃねェだろ」


「うむ。Dあるぞよ」


「ちなみにナース達は?」


「最高でIあるぞよ。これは内密に頼むぞよ」


「Iかあ…極楽だなあ、挟まれてェ〜…」


「うわ、サッチその顔引く」


「お黙りなさい。で?ナースみたくおっぱいおっきくなりてェの?」


「お。その口振り、お主おっきくする方法を知ってるな」


「知ってる知ってる。このサッチ様のゴッドハンドにかかりゃもう」


「マジでか!お願いサッチ様わたしをPカップにしてください!」


「欲張り過ぎだよバカ。だがまァ、少なくともGカップくらいにゃしてやんよ」


「で、どうやって?」


「取り敢えず今夜おれの部屋に」


「サァ〜ッチィ〜…?」


「ヒィッ!」


「てめェ妹分に何ふざけたこと言ってんだ、アァ?」


「あ、マルコにエース」


「やべェ、避難すっぞ」


「うん?てゆうか頭たんこぶだらけだけどどした?」


「おう忘れるとこだった、歯ァ食いしばれ」


「んぎゃっ!」


「ギャアアアアアアアア!」




















「サッチ、生きてるか?」


「おう聞け兄弟、綺麗なお花畑を見てきたぜ」


「川は見なかったのかい」


「見たけど海の方が好きだから帰って来たんだよ。ったく、あいつには振り回されっぱなしだ」


「全くだ。おれ明らかに巻き込まれただけなのに」


「おれなんかこの歳でオヤジにゲンコツ喰らったんだぞい」


「…一度ガツンと言ってやるか」


「だな。それがいい」


「お、いたいたお三方!」


「お、ナイスタイミング」


「おい座れ。正座」


「え、また説教?いいけど手短にね。宴始まっちゃう」


「…は?宴?」


「うん。ほら、今夜は星が綺麗でしょ?それにマルコもエースもいつも頑張ってるし、サッチも毎日ご飯作ってくれるしさ。今夜は隊長達いつもありがとう、ってことで宴をやるの」


「…そりゃあ」


「オヤジめ…粋なことをしてくれるねい」


「ブーッ!宴はわたしの提案でした!」


「え」


「は」


「な」


「ほらほら、主役が来ないと始まんないでしょうが!急いで急いで!」


「…なァ」


「言うな。考えてることは同じだ」


「あぁ、悔しいがない」


「? なんか言った?」


「なんでもねェよ、バーカ」





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