隊長ズとプロポーズについて真剣に考えてみた!






「と言うわけでまずはエース、いってみようか」


「よっしゃ任せろ!ちなみにプロポーズってどんなんがいいんだ?」


「やっぱこう、胸にグッとくるような言葉とかさ。サプライズもいいよね」


「サプライズ?」


「有名なやつだと…ワインを注いだグラスに指輪を入れとく、とか」


「それじゃあ指輪を飲み込んじまうじゃねェか?」


「口に入ると分かるでしょうよ」


「おれは飲み込む自信があるけどなァ」


「エースはねェ…指輪噛み砕いちゃいそうだし」


「それにおれならワインじゃなくて肉だな。肉に指輪を埋め込む」

「そんな油でテカテカした指輪填めたくないわ!」


「だって肉のが旨いし、旨い方が嬉しいだろ?」


「そりゃ不味いよりは嬉しいけど…」


「惚れた相手と食うなら何だって旨いだろうけどな、なんちって」


「お。いいね、もっとロマンチックに」


「ロマンチックぅ?んー…君の瞳に乾杯」


「プロポーズじゃないし」


「結構難しいな…えーっと、じゃあなァ」


「うん」


「何年先もずっと一緒に、旨いもん食っていような」


「お」


「駄目?」


「悪くない。もう一押し」


「毎朝おれの為に旨い味噌汁を作ってください」


「うん、これが君の精一杯だな」




















「お次はサッチ」


「プロポーズなァ…考えたこともねェや」


「口説き文句の引き出しは腐る程あるくせに」


「口説くのとプロポーズは別物。一夜の戯れにお誘いするのと生涯道を共にするんじゃ訳が違うだろ」


「なるほど。まあいい機会だし、いっちょ考えてみてよ」


「そうだなァ、やっぱりシチュエーションは大事だよな」


「おお、流石サッチ、エースとは違うね」


「当たり前!おれはなァ、シンプルでストレートに、ガツンといくね」


「ガツン?え、殴っちゃ駄目よ」


「殴らねェって。だから、例えば相手が後ろ向いて何かしてる。本読んでたりとか何でもいいや、ほらちょっと後ろ向け」


「うんうん」


「そこを、抱き締める」


「うわっ…」


「そんで耳元で…おれと、一緒になってくれ」


「うっ…おおお…!ちょ、鳥肌!マルコ肌!離して!」


「何それ失礼しちゃう。あとマルコ肌ってお前」


「いやでも、うん。いいね。シンプルでストレートにガツン。惚れた相手ならイチコロだわ」


「だろ?」


「でもセクハラで親父に訴えるから覚悟してろ」


「なんだよ、どさくさに紛れてちょっとおっぱい触っただけじゃん」


「死ね」





















「イゾウ〜、私にプロポーズして」


「は?なんだそりゃ」


「今みんなとプロポーズについて考えてて、プロポーズの言葉を聞いて回ってるの。だからイゾウも教えて」


「あーそういうこと。いきなり何かと思った」


「で?どう?」


「プロポーズねェ…」


「シチュエーションとか」


「いやァ、そんなもん要らないねェ」


「え?要らないの?」


「シチュエーションに頼ってちゃお仕舞いさ。どうせサッチだろ、シチュエーションがどうのだとかほざいてんの」


「全くその通りです」


「男なら背中で語れ!親父みたいにね」


「おお!」


「だからおれはこれだけ。後悔させねェ、おれについてこい…で、十分だね」


「おお…!シンプルだけどグッとくる…!でもフラれちゃったりしたら?」


「フラれちゃったりしない自信がある」


「流石イゾウ」


「おれが惚れる女だもん、おれをふる訳ないでしょ」


「うーん…いい男は言うことが違うね。リーゼントとは大違い」


「それだと世界中のリーゼントが可哀想だ」


「訂正。サッチとは大違い」





















「まだまだいきます。てな訳でハルタ」


「プロポーズって考えたこともないなァ…なんか恥ずかしいし」


「お。ここに来て初な反応頂きました。あんた幾つよ」


「あれは?毎朝おれの味噌汁作って、とか」


「残念、もうエースが言ったから却下」


「じゃあ〜…おれと一緒の墓に入って」


「ハルタの顔でそんなプロポーズはあんまりだから却下」


「顔関係あんの?」


「てゆうかハルタ、真面目に考えてよ」


「そういうお前はどうなんだよ」


「私は心にグッと、ときめくプロポーズが欲しいです。プロポーズはされたい派の人間だからほら、練習台になるから。ばっちこい」


「あああ〜めんどいなァ…」


「みんなノリノリで答えてくれたのに」


「…笑わないでな?」


「笑わないよ」


「おれ、そういうのって恥ずかしいタチなの。だからこう、然り気無く、さらっと言いたい」


「ふんふん、例えば?」


「例えば?例えばー…例えば、一緒の部屋にいるだろ」


「うん」


「なんか適当に喋ってんの。お互い違う行動してる時がいいな。おれは剣の手入れ、向こうは化粧中とか」


「うんうん」


「で、今日は雑貨見に行こうか、とか。ちょっと答えて」


「OK。うん、行きたいね」


「途中でアイスとか食べたいな」


「あ、食べたーい」


「親父に土産とか買うか」


「そうだね、お酒とか」


「それと昼はどうする?」


「私オムライス食べたいな」


「オムライスかあ、あればいいな」


「うん」


「あとさ」


「うん」


「結婚しよう」


「うん…、……」


「…み、みたいな感じで、日常会話にさらっと、な」


「…おおお…!すごいよハルタ!今日ので一番鳥肌きた!マルコ肌!」


「ほ、ほんとに?てゆうかマルコ肌ってお前」


「然り気無くかァ…ストレートにいくのもいいけど、然り気無くも悪くないねェ…」


「あー恥ずかしかった…」




















「おおセリョリータ、貴女は私の宝石…貴女と共に在るならば華やかな暮らしも約束された未来も要らない。貴女と歩み先さえあればそれが私の幸せ。健やかなる時も病める時も、苦しい時も嬉しい時も貴女といたい。貴女の輝きを見つめていたい。嗚呼、神に誓う前に、私は貴女に誓います。この海で一番、貴女を愛すと…」


「……ビスタに訊くのはやめとこう」






























「うーん、1位はハルタかなあ」


「何がだい」


「あ、マルコ」


「ハルタは何が1位だったんだい?」


「プロポーズの言葉。今隊長達と一緒にプロポーズについて考えてるの。そうだ、マルコならどう?」


「プロポーズを?」


「うん。ストレートにいく?それとも然り気無く」


「そんなくだらねェこと一日考えてたのかよい…」


「いいから答えてよ」


「あァ?そうだなァ…改まって愛してるだとか幸せにするだとかは照れ臭いからなァ、ストレートは無理だな」


「あー、マルコはそんな感じする」


「然り気無く、かねい」


「例えば?」


「やっぱおれの女なら親父やみんなに紹介してェから、その時だな」


「…みんなの前でプロポーズするの?その方が恥ずかしくない?」


「馬鹿、みんなの前ではしねェよい。だから…じゃあお前、女役」


「えっ、ちょ、なんで手を握っ…」


「なァ、お前のことをみんなに紹介してェんだがよい」


「え、あ、う、うん?」


「その時に、お前のこと」


「う、うん」












「嫁さんだ、って。そういう風に紹介していいかい?」












「……」


「…おい、顔真っ赤にしてどうした」


「…き、今日一番は、マルコだ…!」


「おう、そうかい」


「うわあああマルコ肌…!」


「は?」


「てゆうか、てゆうか手はいつ離すんですか!」


「あ?言っただろい」


「何が!」


「嫁さんだって紹介していいか、って」


「…………え」


「ほら、返事は?」


「!!!」






結論:好きな人からだったら何だっていい!
(ただしセクハラはいけないと思います!)






Special Thanks yuka!
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