08/02(Sat):こっち向いて?
■ケンカ中
ほんの少しすれ違い。
彼女が一方的に拗ねてる。
寝たふり、知らんぷりで背を向けて寝てる。
「なぁ。ごめん」
困った様子だけど、微笑んでる感じの余裕さ。
それがまた気に入らない彼女。
そっとベッドに入るサボ。
肘枕付いて、彼女の頭の辺りを眺める。
等間隔で優しく、ゆっくり、何度も名前を呼ぶ。
でも言い訳は一切しないサボ。
ただひたすら、いつものように笑って欲しくて、全てを許容して欲しくて、ずっと振り返るのを待ってる。ちょっと本気で寂しくなってくる。
「許してくれないかなぁ。そろそろ寂しいんだけど」
そっと抱き締めて、ため息ついて。
「ごめん。好きだ」
枕に流れた髪から覗く肌に顔を沈める。
可哀想になってきて振り返る彼女。
そしたら凄く寂しそうな顔をしたサボ。
俯いて落ち込んでる感じ。
怒ってたんだけどなぁー。とか思いながら綺麗に許しちゃう。そんなことよりヨシヨシしてあげたくなる。
「もういいよ。私もごめんね」
キスしてあげる。
無言でぎゅっと抱き締めてくるサボ。
多分色々反省中。
■発展途上な恋。
でも早くくっついちゃえよ!な感じ。
なんらかのアクシデント。
泊まらなければいけなくなった。
よくあるベッドの譲り合い、
結局一緒に寝る事に。
どうしたらいいか絶賛パニックなので、
取り敢えず背を向けて寝る。
「え。そっち向くの?」
「そうです。お休みなさい」
「…恥ずかしいとか?」
「お休み」
クスクス笑うサボ。
「眠れそう?」
「他人の家では眠れません」
「…ふーん。どうせ眠れないなら相手してよ」
「!?」
誤解してビクッとなる彼女。
「しりとりね」
なんだー、って落ち着く女。
面白くて仕方ないサボ。
「もしかしてさ、……こういうの想像した?」
突然ぎゅっと抱き締める。
「わっ!!!!!な、なっ、な!何もしないって!!!言いましたよね!?!?」
驚いて、抗議のため振り向く女。
すーーーっごく笑ってるサボ。
「ごめん、ごめんって。あんまり可愛いから」
とんでもないこと言われてワナワナする。
身体硬直。
「ホントにもう何もしないって。だからさ、こっち向いててよ」
「なんでですか」
「背中見てると抱き締めたくなるんだよ。頼むから」
焦りたくない自分。焦りそうな自分。
女の気持ちを置いていきたくない自分。
追い越してしまいそうな自分と戦う、
ついつい抱き締めちゃったサボ。