風紀委員長×偽装ビッチ会長


「いい加減に、したらどうだ」

厳しい声を掛けられ、不機嫌に顔をしかめたのは一瞬。聞き覚えのある低音に、慌てて振り返る。廊下の先に立つその人は、顔をしかめこちらを鋭い視線で射ぬいた。それに心臓がきゅっとなり、逃げることもせずその場に立ちつくす。
泣く子も黙る鬼の風紀委員長と囁かれる彼は、眉間にシワを寄せ、ずしんずしんとこちらへ大股で歩み寄ってきた。

「お前の行いが、風紀にも上がってきている」

その声にすぐに返事はできなかった。一瞬、言葉が喉をつかえる。

「……お前には、関係ない」

絞り出したのは結局そんな冷たい言葉で、嫌気がさした。おかしいな、普段だったらもっと気を回した事が言えたはずなのに。
舌打をして早くこの場を立ち去ろうと再び歩を進めれば、おいと呼び止める声が背後からかかる。それに立ち止まらず、一度だけ、未練がましく視線を彼に向けた。

最初は、ただただ風紀委員長に自分を見て欲しかった。だから風紀にも話が行くよう「誰でも相手にする」だなんて軽い性格を演じてきた。注意して、気をつけたほうがいいと気にかけてもらえるだけで良かったというのに、最近はなんだか胸が苦しい。あの鋭い瞳が、俺を射抜くのだ。それは嬉しいはずなのに、どうしてか、痛い。何故、なにを間違ったのだろう。
この小さくじくじくとした痛みを紛らわそうと、小さく息をついた。そんな時だ。

「あれぇ、会長様じゃないですか」

軽い調子の声が掛かり前方を見やれば、この学校の生徒が三人立っていた。
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