「クリスマスのプレゼント狼くんはサンタさんになにをお願いしたのかな〜?固形物かな〜?液体かな〜?」
「それでいくと次は気体だぞテメェ。つーか離れろ」
「逆に空気奪っちゃうぞ★とか言ってマウス・トゥー・マウスしちゃったりするのかな?臭いけどそれはそれで、というか狼くんがそんな台詞言うんだったら俺は全力で駆けつけて動画と写真を撮るねうぐっ」
「空気、ウバッチャウゾ」
「かはっ、あ、ちょ、首しまって、狼く……うっしぬ……し、……」



「一条、そろそろクリスマスだがプレゼントはなにか決めたのか?」
「アンタもそれか!つーか、クソ金髪が言うのはともかくアンタが言うと……」
「なにか問題でも」
「いや、なんでも」
「いいか一条、俺としても行事を楽しむ気はあるさ。だがな、どっかの馬鹿がハメを外す限り俺の安息はないと思うんだ……」
「アンタは一度あの金髪から距離を置くべきだ」




「一条、この国にはサンタさんというじいさんが居てな?」
「お前はまずそこからかオイ。馬鹿にしてんのかアホなのかどっちだ」
「失礼だどちらでもない!ただプレゼントを聞いても答えないのなら知らないのだろうと、」
「だよな。後者だよな、わかってた」
「なんだ人様を馬鹿にしやがってどーせプレゼントだって肉!金!女!とかなんだろ」
「そうだな。それもいいかもな」
「えっ」
「その三つ揃ってりゃ自由に楽しく過ごせんだろ?」
「い、いちじょ、」
「いいじゃねーか、プレゼントはそうしてもらおうか」
「……つ、つまり一条は、ヒモになりたいんだな……っ!?(ぶわっ」
「オイ待てなんでそうなったつーか泣くな」
「わ、わかった……一条のためならぐすっ、俺、頑張って働くから……!」
「やめろ!ちげーから!オイ戻ってこい!」





といった事が一週間ほど前に、三日連続であった。学園のトップたちは、暇なのだろうかそれとも馬鹿なのだろうか。なにか良からぬ事がありそうだと疑って本日クリスマス当日。こういった勘はよくあたる物だ。クリスマスにはなにか用意しとけと風紀委員に言われ、買いに行ったのは吉だったようだ。

「一条、プレゼントに俺を貰ってくれ」
「ぶっ!?」

佐原に呼び出されて中庭へ行けば、どーんと立ちはだかったソイツは鼻の頭を赤くしながらそう言った。思わず吹き出したのは、致し方ないだろうよ。

「芝崎が一条に言えば喜ぶと言っていた。嬉しいか?」
「…………。ていっ」
「あぅっ」

ぱちん、と額を指で弾いてやった。

「冗談なのに」
「冗談でも言っていいことと悪い事があんだよ」
「それかヒモに」
「だからそれは違うっつったろ!」

そろそろ本気で怒ってもいいのかもしれない。そう思った所でふっと佐原が、悪戯をした子供のように笑った。

「今日はきちんとプレゼントを用意したんだ。受け取ってくれるか?」
「勿論」

来た時から小脇に抱えられていた包みが目の前に差し出され、手を伸ばして受け取った。綺麗にラッピングされたそれは、なんとなく柔らかい。

「いま開けてくれ。着けてくれ」

急かすように言われ、包装を破かないように開けばマフラーが入っている。いや、本気でヒモやら自分をあげる、なんて事じゃなくて良かった。
嬉しそうに見つめてくる視線を浴びて、首に巻いてやれば満足そうだ。

「なんだマフラーか」
「要らなかったか?」
「いやちげーよ。ほら、」

佐原に上げるためのプレゼントを開けてみせれば、こちらもマフラーだ。被るとは思わなかったが。
ぱっと顔色を明るくさせた佐原の首に巻いてやれば、変な笑い声をあげた。

「あったかい」
「そうな。ありがたく使わせてもらう」
「お揃いだな」

口をむにむにとさせて笑う佐原に、コイツはなにを上げても喜ぶのだろうと思う。こんなに幸せそうに笑ってくれるのだから。

「さ!次は風紀室へ行ってプレゼント交換会だ」
「……やるのか、それ」
「勿論!一条はプレゼント用意してないのか?」

いいや、しているけれど。録なモノをもらえる気がしない、とくに金髪。
楽しみだな!とはしゃぐ佐原の後を、しょうがないと溜め息をつきつつ続いた。








すみれのプレゼント

佐原「日下部には手袋を」
日下部「ありがとう。大切に使わせてもらうな」
佐原「どういたしまして!芝崎には靴下な」
芝崎「会長ありがと〜!大切に保管しとくね!」
一条「いや使えよ」


一条のプレゼント

日下部「チョコレートか、美味しそうだなありがとう」
芝崎「ありがと狼くん!ありがたくチョコレートプレイをば」
一条「いやお前のはチョコじゃねーから」
芝崎「え」
佐原「ここあぱうだー」
芝崎「えっ、使い道、えっ」


日下部のプレゼント

佐原「お。マグカップ!日下部ありがとう」
日下部「どういたしまして。最後まで何にするか迷ったんだが」
芝崎「委員長、貰っておいて悪いんですけどなんで俺ドピンクなんですか……」
一条「似合うじゃねーか」
芝崎「狼くん水色じゃない……」
日下部「……少し嫌がらせも込めたかもしれん」
芝崎「委員長!?」


芝崎のプレゼント

芝崎「会長へは動物の形したクリップと俺が厳選した本〜」
佐原「ありがとう芝崎でも本はいらない」
芝崎「なんでさ」

芝崎「委員長へは万年筆と俺が厳選した委員長アルバム〜」
日下部「ありがとうな。よく燃えそうだ」
芝崎「やめて!それだけはやめてください!」

芝崎「狼くんにはフルーツの香りがするコン●ーム〜」
一条「……」
芝崎「即座に捨てられた……だと……」



(皆様、メリークリスマス!)
2013,1225.

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