テニスコートから出て帰ってきた頃には、もう六時を回っていた。
私は何だか気疲れしてしまったようで、ベットにダイブしてそのまま眠った。


翌日の早朝、じりりと目覚ましが鳴る。
私はしつこく鳴るそれを止め、朝ご飯を作りにキッチンへ向かった。
昨夜晩ご飯を抜いてしまったため、お腹が空いて死にそうなのだ。
卵の期限がぎりぎりなので、たまごやきを作ろう。
また卵買わないとなあ。
なんてぼうっと手を動かしていると、いつの間にやら焼きあがっていた。

素朴な朝食を味わって食べ、新聞配達の為の身支度を始める。
今日も雨だ。
基準服の上からカッパを着た。暑い。
傘をさしてもいいが、片手がふさがるためどうにも作業がもたついてしまうのだ。

湿気の多い中駆け回り、全ての新聞を配達すれば次は学校だ。
お弁当、教材、筆記用具。
忘れ物がないか確認し、傘をさして家を出る。
途中すれ違うご近所さんに会釈しながら、学校までゆっくり歩いた。

ああ、平凡ラブ。
教室に着いた私は、上機嫌で家計簿を取り出した。
顔見知りもテニス部もいない、静かな私のクラス。
自由に家計を見直せる。
これぞ平凡。
私の日常。
私が望んだのはこういう毎日だ。

「あーん?何のノートだ、そりゃ」

…断じて注目度No.1の跡部くんが現れることは望んでいない。
というか跡部くん、実は暇人なの?



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