鬱な時期だ。
なんせ偏差値テストがあるから。
私は早速、日曜日から勉強を始めた。
私の学力は平均以上ではあるけど、氷帝のレベルの高さは幼稚舎の頃から思い知らされている。
70点を取って補習を受けさせられた日にはびっくりの一言。

「…うう……」

どうにも今日は、勉強に集中できない。
糖分が足りないのだ。
我が愛しの甘露飴はどこですか。
…ああ、あの日はぬれせんべい買ったんだったか。
そう4月ごろを思い返す。

「…買いに行こ」


さて、私はスーパーのお菓子売場にきている。
がしかしそこには見慣れない赤髪の少年がいた。
氷帝生ではない、他校の制服。
少し着崩しているけど、あのブレザーは確か神奈川の…どこだったか?
学校名は忘れたけど、名門のはず。
赤髪さんは髪色のせいで不良に見える。
名門と不良、違和感ありすぎだ。
まあそれは置いといて、何故神奈川の生徒が東京のスーパーで菓子を選んでいるのか。
まあ少年が品定めしているのは洋菓子、私の目的は和菓子。
お菓子の配置的に関わることもないので、別に気にしないでいいだろう。


なのに何故か赤髪さんが、甘露飴を選んだ私をじっと見てくる。
私はその場から逃げるように、会計を済ませて家に帰った。



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