高校パロ、不動はサッカーに興味がありません


風丸一郎太が死んだ。そう聞かされたのは数日前の事だ。
風丸は、高校に入学してから初めてできた友人だった。片手で程数えられる程しかいない俺の友人の一人、だと思う。


風丸は感情や表情が豊かで、からかうと中々面白みがありすぐに気に入った。学校では常に、と言う訳ではないが高確率で一緒にいた。放課後は、風丸がサッカー部に入っていた為中々一緒にはいられなかったが。


「付き合ってる人がいるんだ」
風丸からそう打ち明けられたのは、風丸が死ぬ数ヶ月前の事だ。相手が同性だと聞いた時は、些か引いたが同性と付き合ってるなんて中々人に話せない事を話してくれた事に少なからず喜びを感じた。
なんだか自分が気持ち悪くなった。
風丸の恋人の名前は、円堂守と言うらしい。幼なじみで、中学の時から付き合っていて、優しくて熱くて、良い奴だと風丸は嬉しそうに語った。
元々人ののろけ話など微塵も興味はないが、風丸の話なら聞いても良いような気がした。

「最近円堂と上手くいかないんだ」
風丸がそう言ったのは、風丸が死ぬ数週間前の話だ。
風丸がそう言そして、風丸は死んだ。
もしかしたら、風丸は円堂守に殺されたのではないか、ふとそんな考えが頭に浮かぶ。
喧嘩のひょうしにカッとなって殺してしまうなんて、良くある話だ。

だとしたら、俺の推理が正しいとしたら、俺は何としても円堂守と会わなければいけない。
そんな事を考えながら、俺は葬儀場に向かった。


風丸の葬儀終え、周りを一通り見回してみる。円堂守らしき人物を必死で目で探すが容姿が分からない為それも無駄な努力だ。
仕方がない、俺は斜め前に座る女性に話を聞く事にした。
「あの」
「はい?」
此方に振り向いた女性は、赤縁眼鏡を書け、髪の毛はボブくらいの長さの可愛らしい女性だった。
「僕は風丸の高校の友人です。可笑しな事をお聞きしますが、風丸の幼なじみの円堂守と言う人物は今日ここに来てますか」
「…」
女性は俺から目を反らし、口をつぐんだ。何か不味いことでも言ってしまったのだろうか。
「キャプテンは来ませんよ」
キャプテンとは円堂守の事だろう。中学のサッカー部で円堂守はキャプテンをしていたらしい。
「どうしてですか」
「だって風丸さんは、キャプテンの所へいったんですから」
そんな馬鹿な。いや待て、風丸が死ぬ数日前に円堂守が死んで、その悲しみで風丸は死んだのかもしれない、きっとそうだ、そうでなきゃ困る。

「円堂守はいつ亡くなったんですか…?」
「本当に可笑しな事を聞く人ですね…中学二年の時です。事故で」

もう良いでしょう。と女性は眼鏡を軽くかけ直し、目に涙を浮かべて足早に去っていった。

仮想
(あれ、何かが可笑しい)


不動と風丸
想像恋愛をし過ぎた風丸
title カカリア
背景色と文字色がラブリーなのは仕様

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