闇堕ち円堂




バチン、乾いた音が響いた。
ほうに鈍い痛みが走ったが別にどうでもよかった。目線を前に戻すと怒りやら悲しみやら哀れみやら驚きやら…まぁそんな感じのものを、をぐちゃぐちゃと混ぜたような涙を溜めた瞳で睨む風丸がいた。ああ可愛いなぁ風丸。キスしたい。
「どうしてっ…?」
どうして?いや別に、風丸だって同じような事した事あるじゃん。え、俺は駄目なの?風丸は良くて俺は駄目?
なぁ理不尽って言葉知ってる?この状況まさにそれだよね、はは。
豪炎寺や鬼道に軽蔑の眼差しで見られるのもわかってた。
マネージャーが泣きじゃくるのもわかってた。
ヒロトに殴られるのもわかってた。
まっさか経験者の風丸にまで、ねぇ。お前人の事言えねぇじゃん。
ま、いいや風丸可愛いし。
「お前は…そんな奴じゃない!」
…?何を言ってるんだ?あ、ああ、まぁそうだよな。今までの俺の行動からして。
そりゃ正義を振りかざして頑張ってきたしな、うん。
でも俺だって人間だし、汚い感情がないまっさらな正義を絵に描いたような人間だと思ってた?あ、別に謝んなくていいよ。それが普通だからさ。
「なぁ、戻ってくれよ…俺が好きなお前に…」
あー風丸まじ可愛い。
泣き顔最高
風丸はあれか、好きな漫画家の顔を見た瞬間その漫画家の顔が悪かったら幻滅してその漫画嫌いになるファン。
俺の汚い感情を知った途端それか。戻るも何もねぇよ、俺は俺だし。
あーもういいや、何が正しいのかわかんねぇ。馬鹿って辛いなー。


「もういいよ」
俺がそう言った時の風丸の顔見た?今までで一番可愛かった!惚れ直したわ。
まぁもう遅いんだけどなー、あっはっは。





円堂と風丸
title カカリア

私は何を書きたかったんだ。
風丸視点が出来て完結


BGM アンチクロペンゼン/鏡音リン
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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