綱海さんの背中はいつも大きい。
そんな綱海さんの背中を、後ろからこっそり見守るのが好きだった。
時折振り向いて、太陽みたいに笑う綱海さんが大好きで、見ていると幸せになった。ここぞと言う時に優しく包んでくれる綱海さんが、俺は大好きだったのだ。その感情の大きさを言葉で表すのは些か難しい。
そんな綱海さんに、恋愛感情を持って接してしまう自分が、嫌いだ。
純粋で綺麗な好きから不純で汚い好きに感情が変化していく。
まるで噴水のように湧き出る感情を、抑える事がどうしても出来くなって、綱海さんを押し倒す。
驚いた表情の綱海さんの目が俺を映し出す。
なにか言っていたが、まったく耳は自立語も付属語も捕らえてはくれなかった。
「好きです、綱海さん」
「立向…居?」
綱海さんの、珊瑚礁のように綺麗な桃色に手を伸ばし、触れるとふわりと柔らかくて、こんな美しい物に触れてはいけないような錯覚に陥った。
「ちょ、なんの冗談だよ…?」
「冗談じゃありませんよ」
綱海さんの首に顔を埋めると、自分の身に生じた危険に気づいたのか、綱海さんは抵抗しはじめた。伊達にキーパーと言うポジションに付いているわけではない。
綱海さんを力ずくで押さえ込む事などそう難しくはなかった。
ぺロリと鎖骨に舌を這わせると綱海さんは目に薄く涙を浮かべ涙声で「やめっ…」と弱々しくいった。
そんな綺麗な綱海さんに、罪悪感と共に小ささを感じる。
いつも見てきた大きな、安心できる背中とは違い、凄くちっぽけで弱い小動物のように見えた。
綱海さんは、こんな事くらいで涙を流すし、後輩に押さえ込まれてしまう程弱くて小さい。
そんな綱海さんに皮肉にも欲情してしまう。
もう、以前の様に笑いあうことは出来ない。そんな寂しさ今となってはそんなに重要な事ではなかった。
「好きです、綱海さん」
こうして、すべては穢れていく。



立向居と綱海
title にやり

あきちゃん事あきのさんの捧げます。
20000hitおめでとうございます!
立綱でシリアスと言うことでったので、どうでしょうか?
書き直し、修正、苦情いつでも受け付けます。
それでは、本当におめでとうございます^^
これからも宜しくお願いしますね。
あきちゃんのみお持ち帰り可




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