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雷事件〜1〜
 特殊能力科の窓ガラスが、突然の落雷で飛び散った。一瞬の事だった。
 何の前触れもなく、唐突に落とされた電撃が、的確に教室のガラスを狙ったのだった。
「お前達、怪我はないか!?」
 担任教師の陣内が、重力をバリアのように張り巡らせ、教室を守る。
 机の下で丸くなっていた生徒達が出てきたのを確認し、陣内はほっと息をついた。
 直後、再び雷が落ちる。生徒達がざわつくが、今度はこの教室ではなかった。
 別のクラスに落とされたのだ。
 空は青く、雨が降りそうな様子もない。誰かが意図的に電撃を放っている以外、落雷の理由として該当しない。
 しばらくして、三度目の電撃が放たれる。
 こうも破壊力に勝る雷を落とせるのは、誰だ。どの生徒だ。陣内には心当たりがあったが、信じたくはなかった。
 十六夜ジャック。
 他者に迷惑をかけるような事を、彼は好き好んで行うだろうか。
 しかし教室に、彼はいない。
「他の教室の様子を見てくる。お前達は視聴覚室に避難しなさい!」
 陣内はそう言うと教室を飛び出した。特殊能力科の教師としてというよりも、学園の教師として、これ以上生徒に危険が及ぶのを、避けたかったからだ。
 教室の中では、窓の外をじっと見つめる国原がいた。
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