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- ナノ -
うちの父です(松竹梅一同)
「おやまぁ、竹……病気で外に出られないからって、またピコピコなんかして!」
「ピコピコって、お父さん……」
「目が悪くなるよ? 電気つけなさい」
 勝手に部屋の照明を最大レベルまで上げる父に抗議の声をあげる間もない。
 未だにゲーム全般を『ピコピコ』と呼ぶ杏次郎に、竹千代は苦笑しながら返した。
「○ィーリモコンですから、どちらかといえば、ブンブンですかね?」
「そう? じゃあ、もう、ブンブンするピコピコは休憩しなさい。お薬の時間だよ」
 もう、何が何やら。

「父上、これ、美味しいです」
 千代松がそう言ってピーマンの肉詰めを差すと、父親はそれは嬉しそうにした。
「そう? 良かった良かった……千代はピーマンが苦手だもんねぇ」
「い、いつの話に御座いますか! それは小学生の頃の話です!」
「おやまぁ、そうだったかい?」
「いいえ、今でも苦手よ、父上」
「姉上!!」
 焦る千代松に、にやにやしながらからかう梅千代、それを笑いながら眺める竹千代。
 その三人に笑顔を向ける杏次郎は、にこにこしながら告げた。
「じゃあ明日も作ろうかな」
「「流石にそれは」」

『父上へ。今日は学校が遅くなるので、ご飯は外で食べて参ります。梅千代』
『Re:そうですか わかりました きようは らあめんでした』
『Re:何ラーメン?』
『ReRe:しようゆらあめんです ところでしつもんがあります』
『ReRe:何ですか?』
『ReReRe:かんじは どうやつたら でますか それと れれれとは なんですか』
 携帯を持ってはいるのだが、うまい事メールが出来ない父。
 梅千代は、そんな父を見るのが結構好きである。
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