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十六夜の行動記録(十六夜ジャック)

 特殊能力科で性犯罪が起きたと知らせが入る。
 兄貴は学生寮での揉め事の仲裁に入ってやがるから、出動不可。谷のチビ助はまだ授業中。
 俺が出動させられる。
 現場に到着してみれば、物体浮遊能力で女子生徒のスカートを捲り上げてる野郎がいた。いや……確かに性犯罪だけどよ。
 とりあえず、そいつに放電して女子生徒を助けておく。
 後で兄貴に「人に向かって放電するな」と散々怒られた。(…)

 昼休みに学校内を見回りする。
 SAYTSUIとかいう生徒(なのか?ありゃ)が鬼の嬢ちゃんを追い掛け回してるから止めなきゃいけねえかと思ったが、嬢ちゃんが召喚され姿を消して事なきを得る。
 召喚師ってすげえなあ。
 何だありゃ、どうやんだ。

 見回りを続けてっと、俺よか一回りくらいでっけえ兎耳の兄ちゃんが、俺より拳一個くらい小さい兎耳の兄ちゃんに喧嘩を売ってた(ように見えた)。
 ふざけんな、とか、離れろ、とか小さい方の兄ちゃんが言ってたし、しかも何かでっかい方の気迫が物凄かったんで、止めなきゃやべえかと思った。
 けど、でっかい相手に腕力で敵うかっていうとちょい不安だったもんで、卑怯ながらも思い切り不意打ちで放電しておいた。ごめん、でっかい方の兄ちゃん。
 その後すぐに校庭で能力者同士の争いが発生したんで、急いでそっちに向かった。

 能力者同士の争いは兄貴が止めた。やっと黄昏が合流する。おせぇよ!
 水の能力者が暴れてるという話が飛び込んできた。何だよてめえらその目はよ。
 俺が行けばいいんだろ、分かったよ畜生。
 水は電気を良く通す、なんてのは、水道水相手だから言えることなんだけどな。鉄だのイオンだのが含まれてる水じゃねえと、流石の雷さんも通れねえさ。
 純水ってのは余計な成分が入ってねえし、電気に取っちゃ逆にやりにくい相手なんだが……まあ、水使ってる相手もそれに気づいてなかったみたいだから、放電しといた。こういうのは気づかれないうちに勝っとくに限る。
「だから人に向かって放電するなって言ってるだろう全くお前は」
 兄貴から物凄く怒られた。じゃあ、どうしろってんだよ。


 俺の今日一日の活動は、これっくらい。
 怒られるしかしてねえ気もするけど、それは兄貴の頭が固いんだ。俺のせいじゃない。
 断じて。
 
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