×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -
性格悪子と化け狸〜中指を添えて〜

__________
お友達になりたいリスト
・桜花先生
 黒い悪夢事件で女の子達を脱出させて大活躍したみたいv
・白沢先生
 桜花先生を助けるために活躍v二人揃って有名v
・壱鬼くん
・狐乃衛くん
・竜彦くん
 変なものが出てくる穴を閉じるのに活躍v
 どれか一人は彼氏候補にしてもいいかもv
・沙羅・イングリッド
 錬金術で有名みたい。友達になって損はないかも。

論外
・国原
 地味だし能力も低いし、眼中にない!
 話すだけ時間の無駄。
・冠橋美弓
 雷事件で有名になったジャック君を横取りしようとしてる!許せない!
・一平とかいう狸
 小悪党の癖に生意気!
 しかも地味。友達になる意味なし。
__________

 キラキラゴテゴテと飾り付けられた手帳には、性格の悪そうな文章が並んでいた。 売名行為に心血を注いでいる事が丸出しな内容に、手帳を拾った一平とかいう狸、こと一平屋はどん退いていた。
 主人の要望をかなえようと大寺を探しに来たのだが、その彼女が落としていったらしい手帳(馬鹿でかいシールだのラメペンだので装飾された悪趣味な一冊)を拾っただけで、まだ会う事が出来ていないのだ。
 というか。
「会いたくねぇーっ……!」
 こんなもんを見せられても尚会おうと思える程聖人君子ではない自覚があった。
「すげぇ根性でいらっしゃる……あっしだったら札束貰わねぇと此処まで書けやせんぜ。……あんの売名厨が」
 一平屋は、この手帳ばかりは主人に見せたくないと強く思った。
 心優しい主人の事だ、きっと大寺を擁護する案を一生懸命考えるに違いない。それでも大寺は優しいから、許してあげて、とでも言いそうだ。
 心を痛めて、従属である一平屋にも、手帳の持ち主である大寺にも優しく振舞うだろう。一平屋は、それがたまらなく悔しいと思った。
「こんな輩に気ぃ遣う必要なんざ……」
「ねえ、ちょっと!それ、あたしの手帳じゃない!?」
 キンキン響く声が背後から届いた。
「無いと思ってたら、あんたが盗んでたわけ!?」
「……こんの、性格ブスの売名厨が!」
「は!?何いきなり!?ムカつくんだけど!」
「ムカっ腹立ったのはこっちだバァロウめ!酷い内容書き散らして!それを落としたと思ったら、拾い主を泥棒扱い!どんだけ性根が捻じ曲がりゃそんな発想になるんでぇ、この大馬鹿女!」
 一平屋から敬語を抜いたら、こんな感じである。
 息を呑む大寺に敵意の篭った視線を向け続ける一平屋は、主人の要件を今更思い出したようで、あ、と短く声を出す。
 瞬間、弾かれたように手帳を引ったくり、大寺は金切り声を上げた。
「中身見るとか最低!しかもあんたに何が分かるのよ!馬鹿じゃないの!?あたし、これからジャック君探さないといけないから!ジャック君とお祭りデートするのよ!じゃあね、非リア充さん!」
 大股で歩き、離れていく大寺。
 取り残された一平屋は、こめかみに青筋を立て、大寺の後姿に中指を立て、ぼそりと呟いた。
「ムカつく」

 それはそうと、主人に何て言おう。
 
top