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「#幼馴染」のBL小説を読む
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- ナノ -
空はこんなにも遠い(一挙両得・一石二鳥)

 抜かった。何故こうなった。
 双子のホムンクルスは倒れていた。重力に負け、一石と一挙は共に空を拝む。
 今は遠い窓ガラス。教室が遠い。
 召喚科、従属クラス。そこの窓から落ちたのだ。
 ああ、此度も二人はこの世にあざ笑われるというのか。
 窓から覗き込む御境は、二人を見つけて指差し、笑い声を上げる。嘲笑か爆笑かは分からない。ただ、二人の悲運を笑っている事だけは変わらない。
 二人は何ぞ暴れた訳でもない。乱闘に巻き込まれたでもない。しかし落ちてしまった。あっという間の出来事であったので、誰にも対処は出来なかった。 二人揃って次の授業を放棄する羽目になるとは思わなんだので、当人含めクラスメイトたちは皆、唖然としてしまったのだった。


 確か二人は、窓を開けて黒板消しを叩いていた筈。

 何がどうなって黒板消しもろとも落下するのか。
 それは誰にも分からない。
 トラブルを呼び込み、トラブルに愛される阿呆な双子は、地面にめり込み瞬きを繰り返す。
「……拙僧、日ごろの行いは良いとは言えぬが、これは無いと思う」
「拙者……漫画のようにめり込んだのは、生まれてきて六度目なり」
 落ちたものだ。
 物理的に。
 
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